ポリネシアカルチャーセンター

 ポリネシアカルチャーセンターはオアフ島北東にある。日曜をのぞくほぼ毎日、ツアーも出ている。
 ハワイ、サモア、フィジー、ニュージーランド、タヒチ、マーケサス、トンガの7つの部分に分かれ、園内の展示も、カヌーショーやイブニングショーの”ホライズン!”もこの7つの地域で構成されている。

 一般的なツアーに参加すると、まずカヌーページェントがあり、その後ガイドについてカヌーや徒歩で各地域を回る。そのたびにタロファだのキオラだの、現地語の挨拶を教わりつつ、現地役の人達に声をかけ、各地域のアトラクションに参加する。このへん、ガイドのお兄さんが達者な日本語でユーモアをまじえて案内してくれ、破綻がない。この手のエンターテインメントのうまさは、やはりアメリカならでは、で、アジアにはないものだ。
 途中、野外舞台での歌や太鼓の演奏を聴いたり(客席からも参加)したあと、大食堂でバイキングの夕食。その後センターの自慢のイブニングショーがある。

 園内で2時半から行われるカヌーショー。大きな頭飾りのあるタヒチの衣装が素敵だったが、よい写真がなく載せられないのが残念。

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 園内をカヌーと徒歩で回る。

 右の細長い建物が、博物館のヘイアウのミニチュアにもあったもので、プウホコラ・ヘイアウの木枠の完成形。

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 園内は7つの地域に分かれており、ハワイではフラダンス教室、サモアでは火起こしや椰子の実割りのショー、マーケサスではスタンプ式入れ墨など、あちこちで人が集まって何かやっている。

 アトラクションは数が多いので、とてもすべては参加しきれない。

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 ところで、ポリネシアカルチャーセンター(PPC)で歌ったり踊ったり、ガイド役や現地の人役をしてい若者たちは、みな末日聖徒イエスキリスト教会(モルモン教)の大学の学生たち(このため、宗教上の理由から園内にアルコールはない)。
 奨学金を出してポリネシア諸国の若者が学ぶ機会を作っている。

 よく考えてみれば、(欧米文化は全般的に)ヘイアウを壊す一方、彼らを支援するようなことをしている。PPCは雰囲気も人も明るく、太平洋諸島の文化の実物を見られるし、純粋に楽しめるところではある。あとからふと、中国の民族学校の少数民族の人たちが「私たちは歌っていればいいんです、踊っていればいいんです、でも政治やっちゃいけないんです」と言っていた言葉を思い出し、そういえば彼らはどうなのだろう、と思う。政治にはもちろん参加できる。ただ、ガラスの天井はありそうな気がする。

 中国の少数民族のようなストレートな不満を許さない、そう思うほうが野暮という雰囲気の、ソフィストケートされたやり方が、欧米文化にはある気がする。



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