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麻豆 麻豆は台南の北にある小さな町。
キリスト教系の真理大学がある。以前は大きい大学だったというが、現在は学生数が減り規模が小さくなっている。ちなみに台湾の大学は20年前までは20校程度だったのが、現在では200校近くあるという。しかも台湾は日本を上回る少子化社会である。ただし、大学進学率は日本に比べはるかに高い。
真理大学
真理大学には、日本統治時代の資料が数多く集められている。
特に台湾文学資料館では、台籍老兵問題を調べていた許昭栄氏の遺品の整理を進めている(許氏は、自身も日本兵と国府軍兵の両方を経験している)。
許昭栄氏は大陸に残った台籍老兵のインタビューも数多く行っており、そのビデオ、音声テープ、写真、取材メモなども貴重な資料である。
彼は台湾独立にかかわったとして国民党から入国拒否されていた時期に、カナダ政府から取得した難民パスポートがあったため、当時台湾人には入国が難しかった中国に入国することができた。当時中国も彼を支援したため、取材することができたという。
北門 麻豆の西には北門という海岸に近い地域がある。かつては塩害がひどく、貧しい地域だったが、八田與一氏のダムのおかげで、塩を流し、この地域でも農作物を栽培できるようになった。
この地域には黒脚病(黒足病)という風土病がある。世界中で台湾のここ(台南近辺と嘉義県の下)にしかない、と言う人もいるが、インドやブラジルにもあると言う人もいる。
血流が悪くなるため手足の先が黒くなり腐ってゆく。激痛を伴い、治療するには切断するしかない。現在でも原因はまだよくわかっていないというが、この地域の水が砒素を含むためではないかと言われている(砒素を含む悪い水しかないため、病気の人が多い村の話はインドでも聞いたことがある)。
患者は罪を犯したからだ、とか祖先が悪いことをしたためだ、とみなされ、差別されてきた。
このため、王金河という長老派クリスチャンだった台湾人の医者が、この病気の治療のために私財を投げうって診療所を建てた。
現在では台北の大病院で治療が行われるようになり、診療所は記念館に変わっている。スクリーンで、王氏の偉業についての説明が15分か20分ほど上映されるが、中国語だけでなく日本語での上映もある。ダムを建設した八田氏の偉業についての上映もある。
なぜ日本語版もあるのか。王氏は戦前、戦時中に日本に留学し、明治学院、東京医専に学び大久保病院に勤務していた。日本語版は本人が日本語で語っている。日本語が話せることから日本語版があるのだろうが、それにしてもこんな辺鄙なところにそう日本人が来るとも思えず、ふしぎな気がした。
ちなみに北門へは、以前はバスが通っていたが、今はないとのこと。
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