1.はじめに
2000年2月12日より23日まで、アジア学院の卒業生を訪ねてミャンマーを旅行した。
アジア学院はキリスト教の学校のため、卒業生はクリスチャンが多い。
仏教国ミャンマーのクリスチャンはカレン族、ラフ族など少数民族の人たちがおもで、今回訪問したのも彼らの村である。
つまり、外国人が日本へ来て、在日韓国/朝鮮人集落を訪ねるような旅であり、大多数を占めるビルマ族の一般的な様子はあまり知るチャンスがなかった。
また卒業生のほとんどは山岳地帯の州の出身者だが、今回はそうした州に入る許可が下りなかった。
このため実際に会えた卒業生の数もあまり多くない。
私がアジア学院にいたときのミャンマーからの研修生もアラカン出身であり、会えなかった。
その代わり、ヤンゴンやピーを自由に歩く時間が取れたので、通常の自由旅行的な内容も記そうと思う。
表記には、地名にはミャンマー、ヤンゴン、バガン等を使用、場合によってビルマ族等、ビルマも使用した(パガン王朝についても同様)。
考え方として、もし母国語での発音重視を言ってミャンマーを受け入れるなら、ジャパンはニホンもしくはニッポン、コリア(Ripublic
of)はテハンミングク、チャイナはジョンホアレンミンゴンハーグオを使用することを要求する必要があるし、逆にこちら側もビルマ同様イギリスや米国、象牙海岸等を使わないようにすべきだと思う。
そうでないとダブルスタンダードだと思うのだが、最近はラングーンよりもヤンゴンのほうが通りがよいようなのでこうした。
一方カレンはミャンマーでの正式な呼称はカインなのだが、カレンを使用する。
カレン族の人たちに言わせるとカインはミャンマー式発音で、自分たちはカレンと呼んでいるという。
何となく、ミャンマー、ヤンゴンを主張する割には矛盾していないか、という気がする。
なお、プロジェクトの説明での数字については、疑問の残るものもあるが、とりあえずメモにとった通りに書いておく。
原因として、双方英語が達者でないため似たような単語を別の意味に誤解した、単位を取り違えた、メモを取り間違えた、現実の値でなく理想の数値を挙げた等が考えられる。
また、本文をざっとヤンゴン在住の人に見てもらったところ、ビルマ語の読みとりを何カ所か直してくれた。ということは、聞き取ったカレン語のカタカナもかなりあやしい部分があると思うのが、簡単にチェックできる人もいないので、聞き取ったまま載せている。
また、聞いた話の中で差し障りのありそうな部分は割愛した。
まだ自由に意見を言ったり批判の許される国情ではないので、相手に迷惑をかけないためである(世界にはそういう国も多く、日本の状況のほうが一般的というよりもむしろ恵まれている)。
村人の暮らし等については、私個人が聞き出した内容だけでなく、他の同行者が聞いてくれた内容も含めて書いてある。
誰が聞いてくれた内容かは個別に明記しないが、ミャンマースタディーツァーの皆さんのおかげで、この旅行記を仕上げることができた。
アジア学院と同行の諸氏に感謝したい。
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