−−−−− 初めてクルーズに参加しました。
短い旅でしたが、ゆったりしたクルーズの旅を簡単に紹介します。−−−−−
今回乗船した船SuperViergo(スーパーヴァーゴ)は、世界3位のクルーズ会社スタークルーズ社の所有する船である。この会社はシンガポールに本社があり、世界1位のノルウェーのクルーズ会社NCLと提携関係にある。
船で一緒になったクルーズ経験豊富な夫妻の話では、この会社はほかにLibra(天秤座)、Gemini(双子座)、Aquarius(水瓶座)など星座の名前のついたクルーズ船を所有しており、シンガポールからヴェトナムまでの航路に乗船したこともあるとのことだった(Viergoは乙女座)。
船のレストランのウェイトレスの話では、香港や、さらには日本へ行く航路もあるらしい。別の船員の話では、日本までは人が集まりにくいため今は実施していない、集まり次第だと言っていた。
スーパーヴァーゴのクルーズは、日曜午後にシンガポールを出航、月曜昼にペナン島着、夜出航して翌朝(火曜)プーケット島着、夜出航して水曜午後にいったんシンガポールに戻る。ここで半数ほどの乗客が降りるが、船はさらにマラッカ、クアラルンプールを回って土曜にシンガポールに戻る旅程で、一週間すべて参加する人も、また水曜午後から2泊3日の途中参加でクルーズに乗船してくる人たちもいる。
出航予定はお客の集まり具合によるようだが、基本的には毎週出航することになっているようだ。
船内にはレストラン、医務室、図書室、ジム、劇場、お店、ヘアサロンなどを備えており生活に不便はない。さらにカジノもある(出航2時間後から到着2時間前までの公海上でのみ営業)。
船の旅は揺れると心配する人も多いと思うが、(少なくとも)スーパーヴァーゴの今回のクルーズではほとんど揺れを感じなかった。揺れについてはまったく感じられなかった、と断言してもよいほどで、ペナンからシンガポールへ戻る際はかなり高速で飛ばしているせいか、横になっていると若干機械振動のようなものを感じる程度。
クルーズ経験豊富な人の話では、今の大型クルーズ船は揺れを抑えるシステムを搭載しており、基本的に揺れない設計になっているという。
しかし、鹿児島−奄美−沖縄航路はかなり大型のフェリーだが、屋久島海峡や沖永良部と与論の間で結構揺れる。海峡は流れが速く、たいてい揺れるという。八丈や小笠原航路でも、鏡のような(波のほとんどない)海の場合はあまり揺れないが、それでもゆったりとローリングしているのを感じる。(奄美与論旅行についてはこちら。八丈島についてはこちら。小笠原についてはこちら)
フェリーとクルーズ船の違いなのか、太平洋に出る航路と、マラッカ海峡の沿岸を進む航路の違いなのだろうか?
年配の人たちは、荷物を運ぶ手間のないクルーズは楽だと言っていた。確かに、ホテルが各国を移動してくれるような旅だ。
一方、一人旅派には、特に大型船の場合、大勢の家族連れや数人連れの中で毎日生活することになるわけで、特に食事時などは厳しい気がする。
また、乗船時にパスポートを船に預けるため、各地に寄港する際は上陸許可で上陸し、夕方には船に戻って宿泊する。数日間同じ港に停泊する場合はどうなるのか(ビザはないわけだし、陸で宿泊できるのか)わからないが、どうしても観光時間に制約が出てくる。興味しだいで旅程を変更することもできない。
ところでマラッカ海峡といえば、現在ソマリア沖と並ぶ海賊のメッカ。
ペナンでも周一族の桟橋に行った際、ガイドが向かいの半島側の海を指差して「あの沖で日本の船が海賊に襲われた」と言った。
クルーズ船など海賊のターゲットになりそうだが、船足はかなり速い。特にプーケットからシンガポールへの帰りなど、次々とタンカーや商船を追い越していた。
またデッキのある階が7階とかなり高く、それ以下は絶壁のようで、海賊がよじ登るのも大変そうではある。
なぜ海賊のターゲットにならずにクルーズ船を出せるのか聞かなかったが、こうしたことがあるのだろうか。
また、ペナンやプーケットでは、船は沖に停泊して小型ボートで上陸する方法をとっていた。プーケットは遠浅のパトン・ビーチということもあるだろうが、ペナンのジョージタウンは港である。乗下船の際はIDカードの提示1回(目視)、機械での読み込み1回の計2回チェックをしており、さらに乗船時には手荷物検査もあり、不審者や不審物の乗船を阻止していた。
スーパーヴァーゴのクルーズは、日本のいくつかの旅行会社がパッケージツアーで取り扱っており、日本人客も多い。
館内放送は英語と中国語(北京官話)のみだが、船には日本人のスタッフもいる。
また、クルーズ船に国際法で義務付けられている避難訓練への乗客の参加も、英語による訓練に参加しなくても、日本人を集めた日本語による解説に参加できる。
乗客はインド人と中国系が最も多かった。両国とも家族連れが多い。中国人はシンガポール人や中国本土からの客、台湾人に加えてタイ、マレーシアの華僑も多い。ついで日本人、ドイツなどのヨーロッパ系やアメリカ人で、その他オーストラリアなど。韓国人は少なかったが、今回経済危機の影響なのか、もともとまだあまりクルーズが知れ渡っていないのかはわからない。
今回のクルーズは満室だと言っていた。
乗員も船長など上級職はノルウェー人などほぼスカンジナビア系で占められており、スタッフは中国人、インド人、日本人など多国籍、レストランの店員には中国人が多く、メイドにはフィリピン人が多かった。
乗客も乗員も人種国籍さまざまで、なんとなくこれからの世界はこうなってゆくのではないか、という、将来の世界のミニチュア版をのぞき見た気がした。