チェンマイはランナータイ王朝が開いた街。ランナータイ王国は、メンライ王が西暦1292年(1296年の説もある)に建国した国で、最初の首都をチェンセンに開き、次にチェンライ、さらにチェンマイに遷都した。もともと雲南に近いところにいたラオス系の民族で、洪水が多いため南へ下がってきたという。
その後、ランナータイ王朝はスコタイの頃まで続くが、ミャンマーの支配下に入った。この頃作られた仏像は、ミャンマーの影響を受けたものが多い。
1939年、タイ王国に完全に併合される(南北の統一は、意外に最近のこと)。
ランナータイ王家は今でも続いているが、普通の人になっている。ナ・チェンマイという苗字が王族であることを示す。王家は、スコタイまでと、その後と2系統あるという。ラオスの王家とランナータイ王家とは親戚の間柄。
ガイドの話では、チェンマイにはラオス系の人が今でも多く、彼自身もラオス系。言葉はラオスと似ており、食べ物もバンコクとチェンマイとではかなり異なるそうだ。
タイ王国に併合されたが、みな独立は考えていないという。ラオスと一緒になることは、経済事情などからも難しい、と言っていた。
チェンマイには、タイ文字と異なるランナー文字がある。お坊さんが仏典を読むために使用する文字で、普通の人は読めない。タイ文字とランナー文字は、クメール文字とムアン文字から来た。現在のミャンマー文字はムアン文字から来ている。ムアン文字とは、古いミャンマー文字のこと。