林業/里山  (2009年〜)東京西部


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[杉桧林:枝打ち]  [杉桧林:間伐]  [杉桧林:下草刈り]  [杉桧林:伐採]
[杉桧林:山村のようす] [杉桧林:山林の現状]  [杉桧林:動物]  [杉桧林:その他雑記]

東京の里山:[町田] [川崎] [稲城] [日野] [長沼/柚木] [鑓水/七国] [片倉/東高尾]
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 東京都西部の複数箇所で聞いた話をまとめました。
 まだまだ初心者のため、思い違い、メモ間違いもあると思います。新しいことがわかり次第、更新してゆきます。
     (初出:2010.1.28 改訂:2011.2.16)

服装/持ち物

揃えると良いもの:

 ヘルメット:最近はつば付きもある。蒸れないよう穴のあいたものも

 軍手:鉈や鋸を使うため、ゴム製の作業用がよい。さらに皮手袋のほうが丈夫

 作業用ズボン:ポケットが多いと便利。上着も作業用はポケットが多い
         蜂の季節は黒い服装は避ける

   服装は、ボタン式などの場合きちんと留めること
   ビラビラしていると事故の元

 靴:長靴、足袋。鋲付きが良い。ゴムの鋲と鉄線の入った鋲とがある
   急斜面では鉄線のほうが歩きやすいが、石の上や濡れているとすべる
   ゴム付き長靴は釣り道具屋にある。鉄鋲付きは山林に近いホームセンターか森林組合

 靴下:足袋の場合は親指付き

 鉈:枝打ち用:両刃  間伐材の枝払い用:片刃
   片刃:切れやすいので素人が使いやすい(枝打ちに使うとはさまりやすい)
   片方向からしか使えない(逆刃はだめ)。枝処理によい。刃が欠けやすい
   両刃:慣れないと切れ味はよくない。両方から使えるのと丈夫なので結局使いやすいという人は多い
   枝打ち用の鉈は、刃がまっすぐでなく、多少カーブしている

   鉈は人に貸すと研ぎ癖がつくため、人に貸したがらない

 鋸:目の細かいもの:竹用 アサリがあり目が大きく刃も長いもの:間伐用
   アサリのないもの:枝打ち用
   目たては難しいため、初心者は刃が取替え可能なほうがよい

 ベルト:鉈や鋸を吊るす

 脚半:スボン裾がビラビラしないようまとめる。
     ワイヤーの入ったものはチェーンソーに強い(ワイヤー入りは森林組合でないと手に入らない)

 手甲:袖口をまとめる、もしくは手首保護

あると便利なもの:

 ゴーグル:チェーンソーを使う場合。チップが飛ぶので目の保護

 頭に被るネット:蜂の出る季節

 ポイズンリムーバー:蜂の出る季節

 縄:何かと便利。丸太運びや伐採時のコントロールなど
     直径9〜10mm程度(それ以下は細すぎ、12mmだと多少太め)
     長さ15m程度(20mだと長め)
     薄黄色の素材のものを使うことが多い。黒黄色はナイロン製のためすぐ伸びてしまう
     安全荷重は1/7なので700kg表示なら100kg
     間伐ではトンは必要ない(人間にそんな力はない)

 砥石:作業効率が変わる。プロは1日に何度も研ぐ
     自然石−水を吹きかけるだけでよい(このため熟練者は自然石を持って山に入る人が多い)
     人工砥石−水に十分にひたさないと使えない
      灰色−中砥(通常使用、包丁など)
      黒−粗砥(刃が欠けたとき)
      レンガ色−仕上げ(1000番 ナタのさいご)

その他:

 安全帯:枝打ちする場合。ワイヤー入りは強い(鉈でも切れない)
      森林ボランティアではグループで用意し貸し出す形式が多い。自作する人もいる

 ステップ:木に取り付ける。梯子からさらに登る場合に使うことが多い
      長い梯子は重いので便利。値段が安い。ステップ4個でかなり登れる

 昇降器:梯子を使わず枝打ちする場合。足に付ける
      値段が高いので、森林ボランティアではグループで用意し貸し出す形式が多い

 大鎌:大刈り用。これも通常は現場で借りる(長いので電車移動の人は持ち運びにくい)

 バネ式剪定バサミ:笹刈りなど
      (人が遊びに来る里山の場合、滑り落ちたときに刺さらぬよう
      鎌で斜め切りにせず剪定バサミで直角に切る配慮をすることがある)
      通常のはさみは摺り合わせ式−右手用は右手でしか使えず、砥ぎがむずかしい
      バネ式剪定バサミ−左右どちらでも使える。素人でも砥げる

 斧:扱いが難しい

 チェーンソー:値段が高いので、グループで用意しているが、自分で持つ人も
         東京都では安全講習会を受けて資格証を持つ人のみが使用する建前になっている

 刈払機:グループで用意している
      東京都では安全講習会を受けて資格証を持つ人のみが使用する建前になっている

 その他滑車、クサビなども間伐、除伐で使用

基本的な研ぎ方:

 角度を一定にする(手前と刃先で角度が変わると丸みを帯びてしまう)
 必ず直角に砥ぐ
 砥ぐ理由は「薄くする」+「ギザギザをつける」 横に動かして砥ぐとギザギザが消えてしまう

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里山:里山について

 里山での作業は、基本的に広葉樹が中心になる。一方、通常の森林ボランティアは、杉桧の人工林など針葉樹が中心。

 里山はもともと、落葉樹の林だった。ナラ、クヌギ、カシ(常緑樹)などを15年ごとに切っては薪や炭にして使用していた。広葉樹は切ると再び株から出てくる。
 里山に人が入らなくなってから、常緑樹が増えた。常緑樹の森は暗い。元の里山の景観に戻そう、ということで常緑樹を除伐している。

 里山には国蝶のオオムラサキなど昆虫が多い。常緑樹ばかりになると、冬に葉が落ちなくなり、昆虫が減る。虫は葉の下で越冬する。

(写真は除伐のとき見つかった鳥の巣)

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里山:竹切り

 竹は茶色く変色した古いものを切る。1〜2年の若い木は筍がよく出る。古い竹は筍が少なく養分ばかり吸う。古い竹を切ると、筍がよくとれる竹林になる。
 竹はある程度古くなると自然に枯れる。

 竹も受け口追い口を作って切る(伐木方法の項参照)が、竹の場合は受け口を横一本でOK。その代わり、追い口は一気に切る。ゆっくり切ると竹は割れるので危険。
 切る場所は節のすぐ上。節までが深いと雨水がたまる。
 竹を地拵えの杭にするため、節の上のほうで切る場合は、節のすぐ上に切り口を入れて水の抜ける穴をあけておく。

 倒すときは、他の木にかからないか確認する。事故は他の木にかかったとき、それを正そうとしてよく起こる。
 竹の場合は、引っかかったら根元を持って横や下に一気に引いて倒す。

 倒したら枝を払う。鉈の背や棒で上から下へ叩けば簡単に落ちる。その際、いったん枝の下側を叩いてから上から垂直に叩くと、幹まで裂けずにきれいにとれる(竹細工をする人は必ずこの方法で落とす)。
 鋸で切る場合は、切り口を残さないこと。人がひっかかると危ない。

 竹は春や夏に切ると2年くらいしかもたないが、秋に切ると10年もつ。

 春勢いよく伸びている竹の上部を切り落とすと、1,2週間後に上方の節間に水がたまる。昔、この水を飲んだり化粧水にした

 真竹−節が二重。節間が長い→竹細工によい。丈夫→小屋作りに使える
 孟宗竹−節が一重。節間短い。やわらかく、1年でだめになる
 真竹の竹の子はおいしい

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里山:除伐

 広葉樹の除伐は秋から冬にかけて行う。この期間は水を吸い上げないため。夏は水を吸い上げているため、切っても乾燥しない。

 伐採の方法は、下の伐木方法の項を参照。
 杉や桧は倒しやすいが、広葉樹は難しい。
 一つには、杉は柔らかいが、広葉樹(特にカシなど)は硬い木が多く切りにくい。
 また、広葉樹は枝が広がっており、木の重心を見極めることが難しく、なかなか思った方向に倒れない。かかり木になることも多い。針葉樹はやわらかく、かかってもしなって倒れることが多いが、広葉樹は硬いため引っかかる。
 ツルの絡みも確認。かかり木やツルが絡んでいる場合はロープをかけ、ゆすったり引っ張って倒す。
 どうしても谷側に重心があることが多く、真下でなく斜めに倒すためにはロープでコントロールすることになる。

 針葉樹は垂直だが広葉樹は重心が寄っているため、追い口を切っている途中で倒れ始めることも多い。必ず別の人が樹上の揺れを確認し、揺れてきたら切るのを止めて離れること。気づかずにどのくらい切れたかのぞくと、倒れてきた木に顔をやられる。

 山仕事での上下作業は厳禁。(杉桧林でも同様)

 除伐したら、枝を払う。この作業は必ず倒した直後に行う。あとからバラそうにも、乾燥するとナタも入らなくなる。木は斜めの方向に弱いので、鉈の角度に気をつければ1回で落ちる。
 そのまま地拵えして斜面の土留めにする場合も多い。
 枝は枝で集めて積んだほうが腐りやすい。ぼさぼさのまま地拵えすると蜂が巣を作りやすい。

 広葉樹は、倒した木の枝を払う際、どの枝で支えているかよく見極めること。重力のかかっていない枝から落としてゆく。その後、上から玉切りすれば、一気に滑り落ちることはない。
 枝を払う場合は必ず山側に立つ。谷側にいると、枝を落としたとたんに思いがけず木が滑り落ちて巻き込まれることがある。

薪:
 針葉樹の薪はすぐ燃え尽きる。広葉樹はもつ。

しいたけ栽培:
 シイタケのほだ木にする場合は、幹を90cmで玉切りして乾燥させる。この際、うかつに切りかけたりして傷をつけないこと。雑菌が入りやすくなる。雑菌はしいたけ菌よりも強い。
 カシ、栗などの間伐材(1m程度の玉切り)にドリルで30箇所/1本の穴をあけ、菌のコマを金槌で叩いて入れる(コマは30x本数用意)
 丸太は、湿ったところに地面に水平に交互に積み重ねて置く。秋に斜めに立てる
 2年後から収穫

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里山に咲く彼岸花





杉桧林:枝打ち

 枝打ちは冬の作業。夏にやると幹と皮の間に水がたまっているため皮がむける。間伐は秋から(材にする場合は春から夏)、植林は春、夏は大刈り(下草刈)。

 杉は枝を落としながら成長する。桧は枝を落とさない。両者とも、できれば17〜8年までに枝打ちしておく(本当の枝打ちは、もっと若い木に対して行う)。
 枝打ちをしないと円錐形の幹に育つ。
 桧は25年までに枝打ちすれば間に合う。30年以上たったものは、枝打ちしても(しないよりましだが)そのコストに見合った価格では売れない。
 杉は自然に枝を落とすが節になるため、やはり枝打ちが必要。節のある木は安いが、今は節をふさぐ技術が評価されない。

    注:一方、枝打ちは傷が残る、見た目のみ、今は節を埋める技術があるから不要、という意見もある。
    また技術のないボランティアが枝打ちをすると幹に傷をつけ、そこから雑菌が入るなどかえって
    木が傷むという話もある。

 本当の枝打ちは、良い材にするために若い木に対して行うもので、緑の枝を落とす。この枝打ちをやれるところは(東京西部では)もうほとんどない。新たに植林している森がないためだ。
 今やっている枝打ちは、若い頃枝打ちしそびれた大きな木に対するものが多い。杉の場合は枯れ枝を落としている。

 枝打ちは6メートルの梯子を使った8メートルまで。4メートルの柱が2本とれる。材は一玉4メートルか6メートル。それ以上は普通は使わないので不要。

 梯子を使う場合は、下のゴミをのけてフォークの部分を挿す。必ず山側に、できるだけ垂直になるように立てる。角度は80度まで。
 下と途中を縄でしばり、頂上を鎖で留めて固定させる。

 安全帯は腰で締める。ウエストで締めたため、落ちたときに内臓を圧迫して死亡した例がある。女性はウエストになりやすいので注意。また女性はなぜか、落ちたときに頭が下になりやすい。ウエストだけでなく、股下も通すタイプのほうが安全。

 昇降器は最近使うようになった。プロ意識の強い人は梯子のほうが速いと梯子を好むが、初心者や女性は昇降器のほうが安全だと思う。

 枝打ち用の剪定鋸はアサリがない。切り口がきれいになるためだ。

枝打ちの方法

 枝打ちの方法は、結構人によって異なる。いくつか記す。

1.杉には枝座がある。枝座の少し上で切ると切り口が円になる。これが正しいきり方。
 枝座まで切ると切り口が楕円になる。ウイルスが入りやすくなり切り過ぎ。

2.桧は枝が強く、足をかけられる。2m梯子をかけてさらに2m木登りして6mの枝打ちをする。
 桧の枝を枝座の上で斜めに切ったあと、材を良くするために枝座のふくらみごとまっすぐ切り落とす。切り口は5円玉のようになる。
 最初枝を切り落とすときに、枝を抜く感じにしないこと。抜くと節の穴があいてしまう。
 慣れた人は鉈でいきなり枝座ごとまっすぐ切ることができる。

3.杉も枝座ごととる。とらないと、杉の場合はまた芽が出てくる。こぶや切り残しは残さない。えぐれるぐらいでよい。木が巻き込んで治す。

4.桧は枯れ枝は鋸で台座から切り落とし、生きている枝は鉈で落とす。

 片足を梯子やステップ、枝に乗せ踵で木を押さえ、もう片足を木に巻きつけ脹脛と踵で押さえ木をはさむ感じにすると、体をそらして、両手で鋸を使える。長時間作業する場合は、この姿勢を保てるようにしないと疲れる。

注意:

 梯子をかけるとき、枯れ木でないか、上のほうが飛んでいないか確認する。枯れ木や飛んでいると、中が腐って倒れるため危険。

 梯子の頂上を鎖で留めている場合は、降りるときに外すことを忘れない。忘れるとまた登り直すことになる。

 鉈を使う場合、利き手でない手は上方に置くようにする。振り下ろした鉈で怪我をしないため。

 木の裏側の枝を打ち忘れることが多いので、必ず裏に手を回して確認する。

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作 業 の 森



右:6 m のむかで梯子





杉桧林:間伐

 杉は風に弱い。桧は強い。尾根には桧、沢にはさわら、その他に杉、と古い森では混植している。さわらは水に強く、桧、さわらが混じると風雪害に強くなる。栗を混植していることもある。栗も風に強く風よけになる。桧は乾燥に弱い。
 桧は葉裏の気孔がY字型、さわらはX字型、杉はハの字型。
 桧は日陰でも育つ。杉は枯れる。
 杉は切りやすい。桧は切れるが、ヤニが出るので大変。
 杉よりも桧のほうが重い。その分強いので、細い材でも梯子などを作ることができる。
 桧は一代で山が荒れる。杉は枝を落とすため土が流れないが、桧は細い葉を落とすだけ、雨で土が流れてしまい石ころだらけになる。桧は自然に枝が落ちず暗い森のまま、下草が生えない。

 ときどき古い杉にコブがあるのを見かける = コブ病

 樹高は直径よりも樹齢によって決まる。30年生の杉なら高さは21〜25m。

 材にしない間伐は秋以降に行う。夏間伐しないのは、皮がむけやすく材を傷つけるため。
 3〜40年までに間伐、それ以降では遅い。

 間伐前に実際現地で測量、地図作成。さらに4m棒を半径とし円に回して内側(約50m2)に何本あるか確認。面積から計算して木の量を算出。3割間伐なら1ha1200本が800本になる。
 測量では木に目印の紐を結ぶが、このとき知らない人は硬結びをしてしまう。夏〜秋に木が太るとき、木を締め付けてしまう。木が太っても大丈夫なように結ばないといけない(残す木に目印の紐を結ぶ場合も同様)。

 間伐では、木の間隔や幹がまっすぐかどうかで残すかどうかを決める。木の間があくと、残すべき木が風で倒れやすくなるため、周りの良い木が育つまで細い木を切らずに残すこともある。土留めや雑草抑えにもなる。
 曲がり木、二股は使いものにならないので太くても切る。
 雷や雪害で上の飛んでいる木も、見た目は太くても上から腐って中がカスカスの悪い材、玉が一個しか取れなかったりするので切る。森の縁の木は風除けで残す。沢の木も残す。

 間伐するときは上を見て空きすぎないか確認(あまり空くと雪害を受けやすい)。
 間伐は残す木を中心に考える。残す木を決めたらそのまわりは(良くても)切る。太い木を残すことが多いが、細い木は年輪が詰まっている。太い木を今出し、細くても筋のいいものを残す、という考え方もある。何を残すかは、人によって考え方はさまざま、どういう森作りをしたいか、数十年後まで考えて間伐する。

 根元の曲がった木は、その上で玉がとれそうだが、根曲がりの影響で良い材にはならない。そういう”アラ”のある木からとった玉を混ぜて出しても、技術のある製材所にはわかる。しかし今はそういう知識のある人も少なくなった。今は良い材も悪い材もまとめて立方いくらで売買されている。良い材の山主はそれを怒っている。

 枝払いした間伐材で道を作る場合、材を引きずって立木に傷をつけないよう、気をつける(傷がつくとそこから菌が入り中が腐る)。

山主によりやり方、意見は異なる:
 間伐でもAさんは明るい山が好き、通常3割だが4割切ってもいいという。
 Bさんは暗い山が好き、3割か2割しか切りたがらない。
 つるは低いほうが割れにくいが、Cさんの山はつるを高めにして切る。
 皆伐−地拵え−植林のサイクルが普通だが、それを嫌う山主もいる。樹齢の異なる杉が混交している森を作り、毎年少しづつ材を出す人もいる。あるいは、基本的には3、40年で伐採するが皆伐せず、ところどころに太い木を残しておき、価値を高めている山主もいる。1ha100本の95年杉、1本10万(元玉は名木の類)の人もいる。

雪 の 森





伐木方法

 木の重心を見て伐倒方向を決める。ツルの絡みも確認。伐木方向の邪魔になる木だけでなく、周囲の木の枝もかかり木にならないかよく見る(他の木にかかったとき、それを正そうとしてよく事故が起こる)。基本的に谷側には倒さない。一気にすべり落ちることがある。できれば等高線上か左右の斜め上下45度以内(上のほうが良い)。
 切る木の根元を掃除する。ちょっとしたことが事故につながる。周囲の切り株や石にも注意(倒れた木がはねることがある)。退避所を必ず確認しておくこと。
 受け口(木の直径3分の1から4分の1、角度30度〜45度)を作ってから、受け口の高さ3分の2で追い口を入れる。追い口を入れるときは、必ず周囲に声かけをする。直径10分の1ほど”つる”を残した状態で自然に倒れるのが理想的(詳しい方法はあちこち参考書にあるので簡略に記した)。
 追い口を切っているとき、別の人が樹上の揺れを確認する。揺れてくると倒れる前兆なので注意する(ロープを使っている場合は、鋸入れをやめてメインロープを引いて倒す)。気づかずにどのくらい切れたかのぞくと、倒れてきた木に顔をやられる。
 木が倒れてきたら退避する。木の倒れる方向と、その正反対は危ない。正反対に、裂けて飛ぶことがある。

 横(等高線上か斜め上下45度以内)に倒すため、受け口追い口も横向きになる。このとき、”つる”は並行か、山側を多めに残すようにする。山側を切りすぎると、必ず谷側へ倒れる。

 上の方法は基本で、森林ボランティアはこうした丁寧な方法で伐木している。場合によっては、水準器を使用して受け口が水平か確認することもある。
 しかし実際の作業現場では、これでは効率が悪いので別の方法をとることも多い。
 桧をチェーンソーで倒す場合は、斜め切りをして谷側に落とす。追い口に傾斜をつけると倒しやすい。杉と違い枝が硬く張っているので倒しにくく、素直に倒れないことが多いため。
 杉は受け口を作って切るが、ツルが絡んでいる場合は斜め切りをして谷側に落とす。落ちた反動でツルがはずれたり切れたりするので倒れやすくなる。
 プロはさらに追い口も作らず斜め切り(桧のみ。杉は危険なのでやらない、杉は受け追い方式のみ)。ただし急斜面ではストーンと下に落ちる可能性があるのでやらない。30〜45°くらいの斜面まで。下側に落とし、前の木にかける要領、水平より少し下向きに切る。木の上を見ながら切り、動いて来たら一気に切り落とす。たいてい前の木にかかって立つのでロープか、プロはそのままチェーンソーで横に倒す。チェーンソーの場合、倒す方向と逆に切り込みを入れ、皮だけ残す(1cmほど)。残した側を手で押しつつ、倒れる方向の逆側へ駆け抜ける。それでも倒れない場合は同じ要領で繰り返す(折りたたみという)。ボランティアでは(危険なので)やらない。

 鋸は先のほうがよく切れる。鉈は下のほうがよく切れる。

 チェーンソーが入る場合は上から間伐したほうがやりやすい。

 素人のよくやる失敗が、受け口と追い口が水平でなく、バッテンの状態で切ってしまう、受け口の斜め切りが水平の切り込みとぴったり合わない、など。予想と異なる方向に倒れることになる。

 間伐材は(材を使わない場合)等高線上に置いて腐らせる。切捨て間伐と言われるが土留めになり、土が増える。

 間伐材を利用する場合で貯蔵する場合は、土に当たらぬよう細い材(枕木)を5本ほど並べた上に積む。

作 業 の 森





危険なケース:
 かかり木になった:斜め切りして落としてゆく方法がある。危険なため熟練者が行う。通常はロープをかけてコントロール。

 半分倒れたまま”つる”が残っている:谷側のつるをすべて切ってから山側を切る。中央山寄りのつるが残り、木が回転して倒れる(基本は谷側からだが、状況によりどちらから切るか変わる)。”つる”を完全に切り落とす際は、たいてい跳ね返るので要注意。顔を直撃されるケースがある。

 チェーンソー:太ももの事故が多い(エプロンを使用するほうがよい)
 ボランティアでは、最初はノコ、ナタで間伐・枝処理を学ぶべきというところが多いが、チェーンソーがあるとまったく効率が違う。ノコで切っていた人がチェーンソーを使うと、思ったより早く切れるのでその感覚に慣れる必要がある(つるを切ってしまいやすい)。

よくやる危険な行為:
 上下作業:夢中になっているといつのまにか忘れる。

 ロープ:初心者はロープを持つとき、しっかり持とうと手首に巻きつける人が多い(特に男性)。木を倒すとき、一気に倒れるともっていかれてしまう。すぐに離せるよう握るだけにすること。

 木が倒れ始めたことに気づかない:切り口をのぞくと顔をやられる。

皮むき:
 材を使用する場合は春から夏に伐採し、枝を払ってから杉皮をむく。
 9月頃までは水を吸い上げているため、伐採した杉から杉皮がむける(彼岸から彼岸までがむきやすい)。皮をむくと虫が侵入しにくくなり、乾燥も速めるので材が腐りにくくなる。伐採してすぐにむかないと、むきにくくなる(ただし京都東山などでは10月に皮をむいて床柱にする白木にするという)
 桧の表皮の下の白い渋皮もむいて黄土色の白木にする。
 枝を払う際、木の先に少し枝を残したほうが、葉から蒸発して水が抜けやすい。
 皮をむいた材を干す場合は、枕木の上に載せる(土につけない)。
 昔は杉皮をできるだけ幅広に長くとって売った。子供のよい小遣いになった。かつては杉皮で屋根を葺くことも多かった。

雪害:
 雪起こしをしないと曲がってしまうが、起こしても結局細いままで間伐時に切ることも多い。以前はよくやったが、最近はあまり雪が積もらなくなった。
 2010年は雪害がひどかった。4月に入ってからも雪が降り、しかも重い雪。東京では10年に一度くらいこういう年がある。
 昔は30年くらいで回していたから雪害は少なかった。雪害の出る前に売っていた。今は40年50年残る。曲がった木は必ず雪害でやられる。
 雪起こしも問題が多い。かつて針金でやっていたため、それがときどき残っている。針金が製材所の機械に悪影響を及ぼすので、奥多摩の材はいやだと言われる。

受託間伐の問題:
 ノルマで作業をする場合、3割間伐というと残す木を考えず適当にやってしまう。

 受託業者に間伐させると、小遣い稼ぎで良木を出すことがある。間伐後に山主が入ると、残っているのは悪い木ばかり、という話もある。

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杉桧林:下草刈り

 下草を刈ると木が太る。今刈っているところは、7年前に一度刈った所。潅木が茂ってきたので、これを刈れば下草が生えるようになる。

 大刈り用の大鎌を使う場合は、人との間隔を十分にとる(鎌の柄の長さの3倍くらい)。上下作業は事故につながるので厳禁。

 藤やカナトヅルなど、ツルが木にまきついていることも多い。これらも切る。地面を這っている根本もとっておく。

 下草刈りの時節は蜂がよく出る。大体6月頃から出始め、9月、10月が最も危険。
 特にオオスズメバチ、キイロスズメバチが獰猛、空中でカチカチ言う威嚇音に注意すること。常に巣がないか気をつける。オオスズメバチは土の中や木の洞穴に巣を作る。草や木の葉など、ボサボサになったところにも蜂のいることが多い。
 蜂に襲われないためには、黒い服装は避け、化粧品をつけない(香料が蜂を刺激する)。

(写真:大刈りに向かう)

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杉桧林:伐採

 早く成長した木は年輪の間が空いて柔らかい。材としてはよくない。
 石の多いところ、斜面のほうが年輪の詰まった良い木になる。
 屋久杉は成長が遅い。重くて水に浮かないという。雨が多く斜面に育つ。日当たりの好い平坦な畑のようなところで育った木は良い材にならない。

 最近は皆伐せずに群伐する。ある狭い一画だけ切ると日陰になり、植林しても草が生えず下草刈りが楽だからだ。

 今は伐採したらヘリコプターで運ぶ。

 斜面途中で皆伐されているところは、売ったか、子供の家を建てるために切ったところ。その後植林していない。(材木の値が下がっているため)

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杉桧林:山村のようす

 かつては尾根がメインロードだった。空気の逆転層があり、下の空気と上の空気のぶつかるあたりが暖かい。山はお椀をふせたような形になっていることも多く、その暖かいあたりに平らで日当たりのよい土地があれば、畑も開けるし人家があった。なぜあんなに高いところに集落があるのか、というのはそういうところが多い。
 今は土木技術が発達しているため川沿いに自動車道をつけるが、昔は川沿いは狭く土木工事ができなかった。川沿いでも広いところは古い村だが、狭いところにある家は新しいことも多い。奥多摩あたりでは川沿いにも古い村があり、尾根道から各集落へ降りる道でつながっていた。
 山で迷ったら尾根にあがれ、というのは、尾根に道(作業道や古い道)のあることが多いためだが、(あまり言われていないが)針葉樹の人工林に入れば、必ず材を出すための道がある。
 また桧原村は、川沿いに五日市までゆくのは距離的に遠い。むしろ一山越えれば上野原。それで昔はみな峠を越えて上野原へ出た。五日市−八王子間も同様、歩きの場合は山越えでも距離的に近いほうが速い。

 かつて山村は炭焼きで生計をたてていた。杉を植えて材をとるのは一部の山持ちだった。
 材は太らせるよりも、柱によい30年くらいで回すのが最も経済的。昔からそうやってきた。江戸大火で建て直しも多く、長屋に太い柱はいらない。また細い方が運搬するのも楽。川沿いの材を流しやすいところに古い森がある。
 今山にある材は半端な太さになっている。柱にするには太く、板にするには細い。

 針葉樹は炭にならない。広葉樹を使うが、太い木ではだめ。よって15年くらいで切って炭を焼く。広葉樹は切るとすぐ根元から出てくる。今は切らなくなったので広葉樹の大木が多いが、根元を見れば切ったあとに生えた木(炭焼きに使った木)かどうかわかる。

 日本の木材で家を建築すれば国から助成金が下りる制度を作るのがよい。30年で木が回るようにしないと森を維持できない。

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杉桧林:山林の現状

桧原村にて:

 桧原村は、都が助成金を出すようになり、森林組合も取り組んだため大体間伐できた。奥山の中にはできていないところもあるが、地権者がわからず、手をつけられない。無理して探すのも大変だし、手をつけて文句を言われても何なので、そのままになっている。

 山はもともと入会地だった。村人皆で今日はここ、明日はあっちと手入れしていた。戦後山林も解放され、それぞれが少しづつ所有するようになる。少しだと手間もかかり、金にもならずあまり手入れしなくなった。

 戦後の建築需要で、全国で杉を植えた。杉は15〜17年、桧は30〜35年、杉は大体半分で育つ。
 その後、田中角栄の所得倍増論で、全国の山地の人を平地の工場の勤め人になれ、とした。こうして人がいなくなり、山村は衰退した。

 かつては薪の需要があったが、電化でそれも必要がなくなった。

奥多摩にて:

 奥多摩では山の所有権が細かく分かれ、1ha未満が7.5割ほど。

某所にて:

 昔からの名家が、入会地を一括して購入している場合があり、こういう人のいるところは山がばらけなかった。
 あるいは組合のようにして、共同所有にしているところも、まだある。

某所にて:

 沢の水が少ないのは木が多すぎるせいだ。木が水を蒸散している。もう少し切るべきだが、現状のまま保全せよ、というグループの人たちもいる。
 絶対に木を切ってはいけない、現状のままがよい、と言う原理のような人たちがいる。学者に多い。里山も山林も昔から人手が入っていたのだが。

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杉桧林:動物

 桧原村、奥多摩町はカモシカがよく出る。鹿も多く食害も多い。熊、猿、猪も出る。蛇ではヤマカガシがいるが大人しい。

 桧原村の杉林では、熊が太い杉の根元をむいて枯らしている。木肌をかじっているとも、縄張りの印だとも言われている。なぜかいい木をむいている。

 高尾近くでは、人家に近いところでも猪が子連れで出て走り回っている。鹿、熊はいない。蛇はヤマカガシがおり、以前、小学生がかまれて亡くなった。昔は毒はないと言われていたが、奥歯に毒がある。青大将は少ない。

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杉桧林:その他雑記

森の種類(東京都の場合):
 保健保安林−住民の健康促進のための森
 その他、水資源保安林などいろいろある

林業の現状(ある講習会にて):
 専業:林業組合(3万5千人)、素材生産業者(1万2千人)
 副業:自伐林業(サラリーマン、林家農家)2〜3千人
 その他:アルバイト、ボランティア
 昭和30年代は自伐林業が45〜46万人いたが、今はプロになる場合は専業へ行くしかなく、選択肢が少ない。
 日本はドイツから集約林業を学んだが、実際ドイツでは集約林業はわずか。現在45万の林家がおり、大半は自伐林家。用材生産も自伐林家のほうが多いはずとのこと。

用材の生産(ある講習会にて):
 大規模林産:6割 山間に架線を張り枝も払わず集積、一気に用材にする
 中規模林産:3割 集約林業。山主の山を集め森林組合が作業道を抜き高性能機械で材を出す。作業道脇で用材を作るため二度手間になる
 小規模林産:1割 自伐、NPO、ボランティア
 大規模と中規模はビジネスベースのシステム
 林地残材の月別搬出状況では、大規模は変動が多い(皆伐すると一度に量が増える)

 集約林業:一度切ると次に入るのは20年後
 委託林業:5割切ることも(台風が来たら終わり)
 自伐林業:頻繁に山に入る。3割間伐(人によっては2割)。低投資
 山を持たないからと請負はよくない。期間その他、自分のやりたいようにやれない。吉野は山がなくても山守として自伐林家同様に作業している。そうした仕組みで対応すべきとする。

お金の話(ある講習会にて):
 杉1万/m3 桧2万/m3 (一時期、杉8千/m3 桧1.6万/m3だった) →  杉70万/ha 桧140万/haの収入(立木300m3/ha 3割間伐のうち用材70%の計算)
 バイオマス(3〜4千円/m3)、パルプ用材用(5〜6千円/m3)
 作業道は1キロあたり4000円の補助金、材は40m3/ha出すと補助金が出る(ただし自伐林家には補助が出ない:林野庁に自伐林家の発想がなく、大規模集約林業しか対象でないため)
 間伐材は結局、燃やしてしまう(バイオマス)かチップにするしかない
 (注:これらの値、補助は土地により異なる)

お金の話2:
 1980年頃は一番杉が高かった。それでさかんに杉を植えたが、その後一気に下がった。今は千本中3割間伐で300本、千円で売れて30万、切り出し経費を引けばいくらもない。千円で売れなければむしろ赤字になる。
 山持ちは親の世代は、植林、草刈、枝打ち、間伐で苦労をした。でも子供らは何もしていない。していないから財産としてしか見ない。山の価格を30万、50万という。本当なら5〜10万だろう。帳簿上は財産。でも今はそんなに売れない。

植え分け:
 Aさんの土地をBさんに貸して木を植えてもらい、売ったときに4:6などで分ける契約。かつて行われていたが、借り手も年を取り世話ができなくなり、木も売れない。貸し手も植え分け部分のないほうが、売るときに売りやすい。それで最近、買取の話が出ている。
 植え分けもいろいろある。借りたほうが苗代を出しているケースもある。枝打ち、草刈、間伐と手間もかかっている。その手間賃をこれまで払っているケースと払っていないケースとある。買取価格はむずかしい。
 都が介入して、皆伐して売り払い、そのお金を何対何で関係者に支払う話も出ている(まだ案のみ:2010年時点)。

ボランティア:
 大山主は「森林ボランティア」ははっきり言って役に立たない、と言っている。しかし、裾野を広げる、一般の人に理解してもらう意味はある、という意見もある。
 今森林作業を行うボランティア、NPOは団塊の世代が中心で、(プロの林業家だけでなく)ボランティア作業者も高齢化しつつある。各地の取り組みの紹介など集まりがあっても、参加者は白髪頭が多く若者がいない(いるとしたら東京チェーンソーズくらい)。経験の長いリーダーいわく、NPOも折衝係などには若者がいるが、現場をやる人には少ない、今の若い人は現場よりもコーディネーター的仕事を好む人が多いという。

  (注:森林ボランティア系グループを7.8箇所回った経験では、
   イベント(薪割り体験、植樹体験だの)がメインのところには若者が大勢参加している。
   純粋に枝打ちだの間伐作業のみのところにはほとんどいない。
   個人的には、イベントメインではぬるすぎて作業が覚えられないので一回でやめた)

山主との会話:
 山主は直接こうしてくれ、ああしてくれ、とは言わないことが多い。
 婉曲に言い、それを「xxしてほしい」と汲み取る。やる、やらないは自由。

補助金:
 今まで間伐、枝打ちなどには補助金が出ていた。でもこのご時世、いつまで出るかわからない。財源もないし、そろそろ終わるかもしれない。

林業に関わる、とある若者の話:
 東京では大規模林家については大体間伐は済んだ。そこで森林組合などから、小規模林家にも間伐をやらせてくれ、と話が来ている。
 数ヘクタールの山しかない人はもともと森林組合に入れない。そういう規模の山主が多い。また東京では、山よりも里山のほうが間伐などの手入れができていない。山梨側の小菅村などは林道整備が進んでいるが、東京は林道の整備が進んでいない。

 いま、中小規模の林家や中小規模の製材所が次々とつぶれている。家が在来工法でなくツーバイフォーの規格品となり輸入の合板になったから。左官も仕事がなく、大工もパチパチ留めるだけ。
 1960年頃の家が、日本の在来工法と西洋風をミックスした、暮らしやすい一番良質の家を作っていたと思う。

 戦後農地解放があり、農家はみな農地を持つようになったが、彼らはもとから農業をやっておりプロだった。
 それに比べ、小規模山主は、材出ししたことのない、もともと林家でない人が多い。山を持っていただけ、薪炭林だったり、戦後入会地をみなで分けたり。そういう人たちにも、住宅が足りないと高度成長期に国策として山に杉を植えることを奨励した。もともとプロでないから管理方法を知らない。国策としてプロでない人たちにやらせたのだから、何らかの対策はとるべきだ。

  (注:かつて焼畑をやっていた四国の山村に行ったとき、15年周期の焼畑で山を回していたが、
  1970年代に杉を植えた、今はもう焼畑をやっていないしやれない(杉はすぐ燃える)と聞いた。
  福島の山村出身の知人も、自分と兄が生まれたときに植林した45年前後になる山がある、
  今は両親とも亡くなり兄も町に家を建て村を出たので、誰も世話をしてないと言っていた。
  東京育ちの知人は、父親が亡くなる直前に田舎に残してきた山を町に寄付した話をしながら、
  山といっても価値がなく固定資産税もかからないので山があることすら知らなかった、
  地方出身者の二世でそういうケースは多いはず、と言っていた。)

その他
 最近、派遣のように1日4000円で枝打ち、下草刈をやるグループがある。特定の山に関わるのではなく、どこへ行かされるかわからない。

 日本に南の熱帯の木が入ってくるというのは一昔前の話。今はシベリアなど北の木が入ってきている。

 京都の北山杉は、中心を切って脇から出た4本を育てている。細くして床の間の木に使うそうだ。

 吉野の桧は1haに8000本植える。普通は2500本(2m間隔)(別の人の話では、日本では通常1ha当たり3000〜4000本と聞いた)。このため、上に伸びようとまっすぐに育つ。また枝打ちをしない。風で触れ合って枝が落ちる。その代わり、頻繁に間引きをしないといけない。

 高尾近くで、地元の人が、午後3時に山菜取りに入り、道に迷い沢に落ちて亡くなった。3時に入るなんて、すぐに暗くなる。山をなめたまねをすると、地元の人でも危険だ。

 山で作業するには道普請が必須だが、道をつけると水路になる。雨が降ると一気に流れ込むので、下に家がある場合はルート設定に注意する必要がある。

 赤道(あかみち)とは山や畑にある公道のこと。青道(あおみち)は水路。某レジャーランドが青道をつぶしたため、周りで不評。

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