ナッ神
ナッ神は、ミャンマーの民間で信仰されている土着の神々で、「37」の神々が有名だが、他にも地域や時代によって信仰されているナッ
神がある。37神には、馬上で刀をふりかざす「ミンチョースワ・ナッ」や「アウンソワマ・ナッ」などがある。
ナッ神の起源には様々ないわれがあり、そのほとんどは殺されたり自殺したりという悲劇的なものらしい。悲劇の主人公などが神格化され、たとえばアウンサン将軍をあがめ祀るナッ神もあるという。
時代の変遷とともに、ナッ神の根源も37神ばかりでなく、人間や動物など、様々なものが、地域や人によって神格化されている。
ビルマ人の見解によれば、現代は、若者の間ではあまり信仰されなくなりつつある。地域によっては盛んな所もあるが、おおむね、ナッ神を信じる傾向は減少しているとのことだった。
(以上、NIFTY「イラワジの風」フォーラムのけんはるや氏の解説より)
今回の旅行で、ナカライメドー(ナンカライメドー)というナッ神をよくみかけた。メドーは女神の意味、水牛の角を被り両手に魚を持った大きい女神が2体の小さい男の子の神を従えている三位一体像。
ナカライメドーの左の男の子は実の息子、右の編笠をかぶった少年は養子で牛飼い。さらに笠、笛、ひょうたん、布のバッグなどの1セットがついており、これを右上に掛けて飾る。
牛飼いに関係があるという。
スタディーツアーを案内してくれた人たちはカレン族など少数民族のクリスチャンの人たちで、ミャンマー人はいなかったため、詳しいことはわからなかった。このあと、当時盛んだったパソコン通信のフォーラムでも訊ねてみたが、バガン期(11世紀頃)のナッ神「ナンカリネメドウジー」かもしれないが、やはりはっきりしたことはわからないとのこと。ただナッ神の起源はたいてい悲劇なので、女神と、実の息子と、養子の牛飼いと、三者が絡んだ悲劇がきっと
言い伝えられているはず、とても気になります、と言われた。
チャンタービーチやヤンゴン郊外の祠で見かけ、ヤンゴンのマイラームパゴダでは販売されていた。
ナカライメドーについて、Aさんがマイラームパゴダで尋ねたところ、ブッダより格が下なので、ブッダと一緒に奉ってはいけない、それ以外ならどこに奉ってもよいと言っていたそうだ。