ド  イ  ツ  旅  行  7

ハイデルベルク−ライン川川下り

2016年春の記録

 ハイデルベルク、リューデスハイムはドイツ中央西寄りにある町。

 ドイツの森その1
 アウトバーンの車窓から、さかんに見えたドイツの森。一見しただけだが種類も高さも統一され整然とし過ぎている。気になったのでちょっと調べてみた。
 基本的にヨーロッパの植物は種類が少なく、多様性に乏しいのだという。以下、おもに「森林ジャーナリストの「思いつき」ブログ」を参考に、その他の情報も加味してまとめた内容になるが:
 ヨーロッパの植物が多様性に乏しいのは氷河時代にその多くが絶滅したためで、樹木の大半がモミやトウヒ、ブナ。高木樹木の種類は隣のスイス全土で26種、ヨーロッパ全土でせいぜい100種。ドイツはトウヒ・モミ33%、マツ・カラマツ26%、ブナ31%、オーク10%。日本の場合高木樹木は千種以上、低木や草を加えると数千種、熱帯アジアはさらに日本の10倍以上の種類があるそうだ(最近もNYタイムズに、秩父の山奥で超レアな樹木が見つかったと載っていた−★じき詳しく載せます、今仮アップなので)。
 ヨーロッパの森は、広葉樹林でも幹がまっすぐで下草がほとんどない。つまり草の種類も少なく、藪になりにくい。”日本に比べ多様性に乏しく貧弱、雑草すら品行方正”という言葉を見つけ、なるほどと笑ってしまった。よくヨーロッパやカナダに旅行に行った人が「こちらの紅葉は、日本と違って全面真っ赤や真っ黄色で雄大できれい」と感動する話を聞くが、これは逆に言えば樹種に乏しい、ということでもある。

 ドイツ林業では樹種、樹齢の異なる樹木が混じりあう択伐林型が良しとされつつあるらしい。それは従来の日本の森でもあるのだが(杉檜を混植したり、広葉樹がすぐに混入してくる)、現在日本では同齢、同種の木による一斉林型を良しとしている。一斉林は管理しやすい一方、皆伐するので土砂崩れその他問題がある。ドイツでは原則皆伐は禁止とのこと。
 市民は巨木が好きで巨木の森を良しとするが、巨木ばかりというのも実は不健康な森で、更新してゆくためには若木も必要。

 ドイツの森林面積は約1000万ha、日本の森林面積は2500万ha(うち里山原生林1500万ha人工林1000万ha)。ドイツの生産木材は8000m3以上、日本の4〜5倍近い。ドイツ林業は製材・加工・流通など裾野産業も広く、雇用は自動車産業の七十万人をしのぎ百万人ほどで国内最大、輸出産業となるほど競争力も強いという。林道が整備され、森林官と呼ばれる専門性の高い役人を育成している。(林道整備は、急峻な山岳地帯の多い日本では厳しい。関東近郊の山を歩いていると、すぐに崖崩れで埋まり放置された林道を腐るほど目にする。つまり伐採時の仮道で、すぐに使えなくなる。)
 続きは次のページで。




ローテンブルクからハイデルベルクへ

 ドイツはストが多い。この日も輸送組合のストで道路が渋滞していた。みなストライキは権利なので仕方ない、と怒らないという。
 この日は快晴だった。やはり晴れていると景色もきれいだ。
 右下:狩猟台が見える   北に比べ落葉樹の森が多い







 今の時期、点々と咲く白い花はりんご   ガイドさんの話では、持ち主のない木も多く、自由にとって食べてよいので毎年時期になるのを楽しみにしている、小さいが甘酸っぱくておいしい、とのこと。





 右上:北ではあまり見かけなかったが、南の畑には畑の中に作業小屋があるのをよく見た
 右上左下はぶどう畑   右下は珍しく高畝になった畑 極早稲のジャガイモかもしれない




ハイデルベルク

 キリスト教系の学校にいたので、「ハイデルベルク信仰問答」という小冊子を読まされた記憶がある。内容は全然覚えていない(神学論争か何かで、中高生には理解不能)。ただ、そのおかげで”ハイデルベルク”の地名は記憶に残っていた。ドイツ最古の大学のある学芸都市。





 上:ハイデルベルク城は丘の上にある
 右下はカール・テオドール橋を見下ろしたところ なにやら京都の嵐山のような光景





 左上:マルクト広場
 右上:広場脇にあるヤコブ教会 この教会の中に広島の原爆に関するステンドグラスが飾られている
 左下:カール・テオドール橋からハイデルベルク城を振り返る  右下:カール・テオドール橋から上流方向を見たところ




ライン川川下り

 リューデスハイムには、大勢の日本人が歩いていた。たいてい中高年夫婦で若者は少ない。リューデスハイムに宿泊し、つぐみ横丁などを散策してからライン川下り、という日程の人も多い。
 左下:リューデスハイムへ行く途中、りんごがさかんに咲いていた
 右下:リューデスハイムのつぐみ横丁 酒場で有名とのこと





 左上の船に乗船 外は結構寒い。最初甲板にいた大勢の日本人中国人は次第船内に引き上げ、寒さに強そうな白人10人ほどが最後まで甲板に残っていた
 右上:斜面に広がるぶどう畑   ライン川両岸を鉄道が通る。二重手間のようだが、川に橋を架けないことと関連しているのかもしれない
 左下:右岸にあるエーレンフェル城  右下:左岸にあるラインシュタイン城





 左上:かなり急斜面のぶどう畑 狩猟台も見える
 左下:左岸、ニーダーハイムバッハのハイムブルク城





 左上:ロルヒハウゼン教会(左岸)  右上:シュタールエック城(左岸)
 下:急斜面のぶどう畑   特に右下は斜度45度に見える 
 平地の少ない山国日本ならともかく、ドイツには広い土地が沢山あるのになぜわざわざ急斜面にぶどうを栽培するのか不思議な気がする。急峻な山のないドイツならどこも日当たりは問題ないだろうから、水はけの良し悪しだろうか。にしても、平地が湿地帯ばかりでもないだろうし・・・
 いずれにせよ、自然環境保全に力をおくドイツでは、急峻な傾斜地に石積みした歴史的なブドウ園を保守管理する作業、ブドウ畑にある果樹や在来種の草木を保護育成する作業等に対し、州政府から農業経営者に報酬が支払われている。





 左上:通行税を徴収したプファルツ城(手前中州にある赤い建物)(右岸) 通行税をとるため、ライン川には橋が架けられていなかった。後ろに見えるのはグーテンフェルス城
 右上:シェーンブルク城 下に見える尖塔のあるピンクの建物はリープフラウエン教会(右岸)
 下:段々畑の様子  さすがに耕作放棄されたかに見える区画もある





 左上:斜面にモノレールを通しているのが見える 日本のみかん畑と同じ
 右上はローレライの岩を上流から、右下は下流から見たところ
 左下:急斜面の段々畑 動力機械はとても入りそうにないので、すべて手作業だろう。報酬が支払われるとはいえ、老夫婦だったらきついはず。子や孫がちゃんと後を継いでゆくのだろうか。それとも、”在来種の果樹を植えると報酬が出る”というのは、耕作放棄地に在来種の果樹を植えて終える、ということだろうか(何もせず耕作をやめて荒れないように)。




左:右岸のザンクトゴアルスハウゼンに到着

2時間弱の船旅

まだ明るいが、もう6時
緯度が高いせいか
初春でも朝早くから夜遅くまで明るい





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