東北インド(マニプール・ナガランド・アッサム)
カルカッタ旅行記
  (1997年)

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2.マニプール州


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インパールウクルル県チャンデル県チュラチャンプール県セナパティ県

2.1 インパール

11月9日(日)

 早朝5時出発、カルカッタ行きの飛行機に乗ろうとするが、いきなり7時発IC855便がキャンセルになるトラブル発生。カルカッタでインパール行き10時の便(これも旅程表やロンドン発行の国際時刻表OAGの時刻、12時半と異なる妙な時間なのだが)に乗り継ぐため、それまでにカルカッタに着かなくてはならない。国内空港と国際空港の間を何度かバスで行き来し、やっと現地ガイドの青年がIC409便に押し込んでくれた。その後さらに出発時間が遅れたりで、カルカッタに着いたときにはもう10時になっていたが、幸いカルカッタから同行する日本語のできるベンガル人ガイドが、出発を遅らせるよう頼んでくれていた。今回の旅行にはインパール作戦戦友会でこれまで20回以上東北インドを訪れている人が同行しており、このガイド氏も彼の紹介によるもので、やはり何度もマニプールやナガランドに入っている。

 インディアンエアの職員にせかされながら搭乗機への空港内バスに乗り込むと、ナガの老夫婦がのんびり乗っている。彼らも私達のおかげで間にあったはずなのだが、ひょうきんなオヤジで、バスの入り口に大荷物を置いているので空港職員に注意されると、「あなたがそう言うのを待っていた」などと言って皆の爆笑を買っていた。ところで、この成田−カルカッタ便の消滅について、例の財閥旅行会社のおかげかエアインディアは同料金で成田−デリー、翌日のデリー−カルカッタを認めてくれたという。

 インパール行きの飛行機はレーのときと同じ左右3列ずつ縦に30列くらいの大きさで、ほぼ満席。外国人と思われるのは私達の他、白人男性2人がけばい化粧の地元モンゴル系女性2人、若者1人と一緒にいるくらいで、ほかは皆アーリア系インド人か地元モンゴル系ばかりだった。

 マニプール州にはナガ族の他、メイテイ、クキなどのモンゴロイドの諸種族が住んでいるが、よく見分けがつかなかった(民族衣装ならまだしも、現在はほとんどが洋服)。マニプールのナガは現在大多数がキリスト教徒(ナガランドにはまだアニミズムの種族がいる)、州の多数を占める平地民族のメイテイはヒンズー教。ただしメイテイの各村にはいまでも神社があって氏神信仰も残っているという。ちなみにアジア学院のマニプール州の卒業生は大多数がナガ族で、若干名クキ族がいる。

 飛行機の所要時間は1時間。降り始めると、周囲を山脈に囲まれたインパール盆地が広がり、インパール作戦の本で読み予想したとおりの光景だ。ロクタク湖が南に広がり、現在は乾期なので沼沢地となっている。その回りと北には田圃が広がる。

 空港の建物はJRの在来線の駅舎のように平屋でこじんまり、入った脇にデスクがあって個人旅行の白人2人が検査を受けていた。パスポートにパーミッションカードが貼ってあるのが見え、2人の同行女性が通訳をして質問に答えている。何度もこの地に来ているガイドの話では、マニプールへの入境許可を求める欧米人はイギリス人が大多数、日本人は戦友会関係が多く観光はほとんどいない、韓国人は許可なしで来ることが多く飛行場で追い返される、中国人は来ないとのこと。写真を撮ろうとしたおじいさんがダメと言われた以外は全体にのんびりした雰囲気だ。空港脇の兵舎から女性兵士も含め軍人が何人か出てきて、日本人と白人見物をしている。

 建物の外にむらがる群衆の中に同窓だったニューメイ氏の顔が見え、手をあげている。仲の良かったセレナも来ていたが、少女のようだった10年前とはうって変わり、すっかりいいおばちゃんになっていた。アジア学院を卒業の後、デリーのカレッジに通い、そこで同郷ウクルルの男性と知り合って3年前に結婚したという。1歳半の息子を連れてきていた。

  許可が出た後、卒業生達の運転する車に分乗してインパール中心部にあるホテルニルマラへ。インパールの街並みはインド本土によく似ており、表通り沿いには石造りの頑丈な3、4階建て中層建築が並び、1階が店舗2階以上はアパートの形態。街の中央に堀に囲まれた大きな公園があり、その西側がホテルや銀行、州の官公庁の集まる地区になっている。ホテルニルマラは公園から西に少し入った下町的なところにあり、1泊250ルピーで中堅どころの感じだ。

 ホテルに着きチェックインしていると、併設の小さい会議室に地元モンゴル系の男の子たちが次々と入って行く。何かあるのか聞いてみると、AIDSから身を守るintermediate staff trainigがあるという。そういえば東京にいたとき、親しくなったナガの研修生の一人(ナガランド、ディマプール出身)とDALC(麻薬中毒患者の更正施設)を訪ねたことがある。彼女は、ナガの若者にAIDSと麻薬が蔓延しつつあるので、それを何とかしたい、と言っていた。マニプール、ナガランドは丁度ビルマからインド側へ抜ける麻薬ルートにあたり、密売人たちは安全に安く麻薬を運べるよう、ナガの若者達に最初はただで麻薬を配り、麻薬漬けにして抜けられないようにした後彼らに運ばせているという。

 こうして麻薬はボンベイ等へ運ばれ、ヨーロッパや日本、アメリカに輸出されてゆく。AIDSも麻薬注射の回し打ち等で感染が広がっている。彼女はいったん麻薬に犯された若者の更正プログラムを考えており、それでDALCを訪ねたのだった。優秀かつ勉強家で、DALCの行っている12ステップの更正プログラムについてもアメリカから取り寄せた資料ですでに知っていた。ただ、麻薬から抜けたい人が警察へ通報される恐れなく来られるように、と警察とは一線を画している日本側と異なり、彼女はナガランドでは官民協力する必要がある、相手は手強いから、と語っていた。

 4時から歓迎会があるが、それまでは自由行動なので外に出てみる。ホテルの周囲はカルカッタ等でよく見かける1階が店舗で上層階がアパート形式の建物が続くインド系の街。裏道には、革細工、仕立屋、床屋、と職種ごとに店がかたまって存在するのもインド的。店にはクリシュナ等の神棚と黄色いマリーゴールドの花輪が何本も飾られている。ただ街行く人にはアーリア系とモンドロイドが半々くらいに混じっている。

 ホテルを南に下ったところにバザールがあり、そこの売り手はほとんどがモンゴル系で、野菜、豆類から各部族のショールや布を積み上げて売っている。

 またある広場を通ったとき、演台が設けられて群衆がぎっしり集まっており、カルカッタでよく見かける政治集会のようだ。回りに立っている警官に写真を撮ってもいいかと尋ねると、聞いてくると行ったきり戻ってこなかった。演台にはライオンズクラブと書かれた垂れ幕がかかっていたが、詳細はわからない。気候は昼間は半袖でちょうどいいくらいの暑さ、夜は涼しい。



インパールの市場

ロータリークラブの集会。集会は必ず軍が見張る

 4時からアジア学院の卒業生で、現在マニプール州の家庭福祉省大臣(Minister of Family Welfare)を務めているパンメイ氏主催による盛大な歓迎会が開かれた。マニプール州出身の卒業生は22名、1期生のマヨンシン氏が卒業生の組織を作り、よく結束している。

 式はパンメイ氏公邸の庭に大きなテントを張って行われ、卒業生の他マニプール州政府関係者やキリスト教関係者らも含め多数出席していた。2名のマニプール州大臣も出席しており、それぞれスピーチをしたり、クキ族の牧師が話したり、卒業生の話や一行の紹介が続く。公邸の門の外にも大勢人がたかって中をのぞいている。庭の門その他にアーリア系の軍人が何人も立っているのが気になるが、彼らは3人の大臣の護衛で来ているとの話だった。

 一行に赤黒白の独特の色使いで織られたナガ族のショールがプレゼントされた後、ナガの1支族ゼリアンロン(Zeliangrong)ナガのダンスが披露された。伴奏無しの手拍子と簡単なかけ声だけで、輪になって飛び跳ねるように踊るスタイルで、このパターンはこの後各地の歓迎会でのダンスでも基本的に同じだった。衣装は各支族によって異なり、ゼリアンロンナガの場合男性は水牛の角のような頭飾りをつけ、女性は赤黒白を大胆に組み合わせた横縞模様のスカートが特徴的。

 歓迎会の後は、建物に入って卒業生手作りの料理による晩餐会。鶏や豚のカレー、鶏のスープ、魚の揚げ物、ココナッツミルクあえの果物、香り野菜とトマト、キャベツのサラダ、等々でどれもおいしい。ただし唐辛子は日本人用に控えてあるとのこと。このメニューはこの後も大体同じで、これにご飯がついた。セレナやニューメイと近況を語り合い、9時頃ホテルに戻る。

 

インパールの町。右は軍楽隊

インパール盆地の写真は「写真家」氏撮影

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Last updated:07/02/15 .  First uploaded:01/02/23 .  ©1999-2010 XIER, a division of xial. All rights reserved.