六  甲  縦  走    そ  の  1

 以前西宮に住んでいた頃、六甲山地はすぐ目の前、父の会社の寮があったこともあって、家族でよく遊びに行った。六甲も須磨も標高700m前後の低山、山登りというより家族連れで遊びに行くところというイメージがあった(実は六甲最高峰は900m以上あるのだが、当時普通に行く"六甲”は記念碑台近辺だった)。
 先日、関西の地図を見ていたところ、宝塚から六甲、摩耶、須磨のほうまで尾根が続いている。車道を歩くことになる箇所も多そうだが、これは尾根歩きができそうだ。

 そこで関西へ行く用事のついでに、六甲を尾根歩きをしてみることにした。はいり口で迷わぬよう、ガイドブックをちら見しておこうと神戸の書店に入ると、六甲縦走関連本が何冊も並んでいる。なんと六甲にはすでに縦走コースが整備されており、かなり有名なようで、夜中から丸1日かけて縦走する六甲全山縦走レースも毎年開催されているらしい。
 これならコース表示もあり道迷いはないだろう。都合の合間をぬって3回に分けて歩くことにした。

目次: 鵯越−菊水山−摩耶山−六甲山記念碑台  鵯越−高取山−須磨アルプス−槙尾山−栂尾山
     宝塚−船坂峠−六甲山最高峰−記念碑台




鵯越−菊水山−摩耶山−六甲山記念碑台    2011年8月中旬

コース記録:  鵯越7:00−菊水山8:00−鍋蓋山8:40−摩耶山10:50−六甲山記念碑台11:50

 摩耶、六甲への尾根道は鵯越駅の東から入る(右下)   左下は鵯越駅



 駅周辺で、一歩きしてきたと思われる地元の老人おばさん集団がたむろっていた。三々五々帰宅しはじめたり、居残ってにぎやかにしゃべっている。早起きウォークがさかんなようだ。
 道標もありわかりやすいが、林道に出た後二箇所ある沢を渡る分岐はやりすごし、道なりにまっすぐ上るのが正解。山道にも大勢地元ハイカーが歩いているので、道は聞きやすい。



 途中、畑があったり、人家がポツンとあったりする。車は入らない道で、郵便などの配達も大変だろうと思う。神戸電鉄の脇(右上)を通ったあと、急登になる(左下)。右下は元町方向、ゴルフ場が見える





 菊水山頂上458.9m(左上)と頂上から元町方向の眺め(右上)。全身黒のジャージーで金髪グラサンスタイルのヅカっぽい女の子が鈴蘭台側からランニングで上がってきた(鈴蘭台側は舗装道)。

 左下:東の摩耶山へと続く尾根
 右下:里山の北に広がる鈴蘭台の住宅街。この付近は尾根の北ぎりぎりまで住宅街が迫り、八王子の鑓水/七国峠付近のようだった





 菊水山を下り、鍋蓋山へ(上)。かなり下り、車道を横断する吊橋を渡ってまた登り返す
 鍋蓋山山頂486m(左下) このあたりは松が多い
 鍋蓋山を下ると分岐がある。六甲全山縦走路は下りを示しているので、尾根歩きではないなアと思いつつ縦走路を行く。





 道は下って大龍寺(左上)に出た後、市ヶ原へ。渓流を越えて(右上)登り返すと、ロープウェー脇に出た。このあたりはハイカーが大勢いる。そこから数百メートルほど摩耶山へ向かう道に入ると、道の真ん中にイノシシが立っていた!

 相手もこちらを見つけ、なんと小走りに寄ってくる。横の山腹に登るとイノシシも方向転換して登って来る。牙のないメスとはいえ、体当たりされたらかなわない。慌てて飛び降り、人のいるほうへ戻ると、ちょうど登山のいでたちの男性2人連れがやってきた。
「イノシシがいるんですけど」「大丈夫だよ、刺激しなけりゃ」二人について、山腹のイノシシ脇を何気なく通りすぎる。結構大丈夫そう、とカメラを向けると
「挑発しちゃあかん!」年配のほうのおじさんに怒られた。角を曲がって振り返ると、イノシシが二頭こちらを見ている。「まだ追ってくる」と若いほうが引きつった声で言う。「逃げちゃあかん。普通どおり歩けばええ」とおじさん。そして振り返り「片方はウリ坊や、大丈夫、このへんおるんや」。「まだ来る」と若いほうはストックを出した。何度か角を曲がっているうち、やっといなくなった。
 分岐のところで二人に礼を言って別れた。実は、山道にイノシシがほじくって何か食べた後が結構残っていたのと、渓流脇に「イノシシに餌を与えないでください」と立看板があったので、出るのでは、と予感はあった。牙のないメスだったが(左下)、それでも結構怖い。



 気をとりなおして摩耶山への道を行く。この尾根は天狗コースだったか名前がついている。いかにも古道といった感じの道(下)。途中、雨が降り出し風も出てきた。





 摩耶山頂698.6m(左上)に着くと、強風でロープウェーが止まっているという。灘方向の景色もガスっている(右上)。
 オテル・ド・マヤという洒落た名前(外観もそれっぽい)の国民宿舎へ向かう森林コースを行く(左下)。オテルで縦走路を見失い、いったん車道を歩く。その後車道から山道に入る縦走路の表示を見つけ山道に入るが、しばらくしてまた車道に出た。このあたりの縦走路はまとまった山道歩きはなく、車道と山道を交互に行く感じだ。





 一丁が辻あたりで本降りになった。ここからは会社の寮が続く避暑地。途中追い越していったトレランの人たちや、ハイカーらが軒下で雨宿りしていた。右上は六甲ホテル。
 土砂降りの中、六甲山記念碑台に到着(左下)。
 丘の下にあるる六甲ガイドハウスの人の話では、六甲の最高峰はもっと東よりにあって900何メートルある、ここは標高760mくらいだが、電鉄会社がここを六甲山頂としたのでそのようになっているという。イノシシはいる、6〜7年前指を持っていかれた女性がいる、とのこと。このあたりでさかんに鳴いているセミはヒグラシやエゾゼミ、標高が高いから下界と種類が違うという。
 午後は用事があるのと、雨も激しくなったのでバスで下山。ガイドハウスの人がまた来たら、とロープウェーだのの割引券セットをくれた。

 バスで阪急六甲に下りると、下界では雨が降っていない。山のほうを振り返ると、ガスで頂上が見えない。ほんの数キロ(4キロ程度)しか離れておらず、また6〜700mの低山なのに、山と平地とではぜんぜん天気が違う。




鵯越−高取山−須磨アルプス−槙尾山−栂尾山    2011年8月中旬

コース記録:  鵯越6:40−高取山8:00−妙法寺9:00−東山10:00−須磨アルプス−槙尾山−栂尾山10:50−高倉台11:00

 子供の頃、「六甲は古い山だから岩がボロボロで崩れやすい」と父が言うのを聞いたことがある。
 六甲縦走について調べているうち、六甲アルプスだの須磨アルプスだの、何とかアルプスと呼ばれる岩場があちこちにあることを知った。場所によってはボロボロで崩れやすく、上級者向きなどとある。六甲全山縦走路にも須磨アルプスが含まれていることを知り、面白そうだなと思った。

 鵯越から須磨まで、初電の都合などから六甲全山縦走路とは逆順で歩くことにした。標識は西から東へ歩いた場合に目に付きやすい箇所に設置されている。方向指示も正順で必要な方向しか示していない。住宅街は分岐だらけなので非常に歩きにくい。逆順でも、山中は分岐も少なく、標識は両方向とも指示していることが多いので、むしろ歩きやすい。



 まず鵯越駅付近からして正しい道がわからなかった。やっと見つけた、正順方向で道を示す看板(左上)。以降、ここに標識があるということはここで曲がることになるはず、など逆に読み解く作業を繰り返すはめに。
 右下ごみ置き場の上にも、写真ではわかりにくいが縦走路の標識がある。手前のT字路から下り突き当たったため、ここに標識がある。ということは背後の道を上ればよいわけだ。



 しばしばコースを見失ったが、基本的に西の丘の東斜面沿いにゆけばよいようだった(左上)。
国土地理院の地図は持っているので普通に歩いてしまってもよかったのだが、せっかくなので六甲全走コースを歩きたい。ルート読み地図読み能力アップも兼ね、できるだけ標識探して標識どおりに歩く。



 やっと高取山登山道に到着(右上)。山中に畑があったりする。ここまで鍬担いで登るのだろうか?
 山頂手前に茶屋が何軒かあった(左下)。右下:神戸方向もガスって今にも雨が降り出しそう。気温は高く湿度がものすごい。





 高取神社(上)、登山靴で走ると階段が崩れるので登山者とトレイルランナーは巻き道を行くよう、看板で指示があった。(高取山頂は326m)
 下:高取山から妙法寺へ下る



 この日東京で37度、暑さが半端でなくしかも高湿度。湿気や汗でデジカメが動かなくなってしまった。須磨アルプスの写真を撮りたいので山を下りコンビニ探しに奔走、何とか使い捨てカメラをゲットする。



 相変わらず逆順はコース探しに難渋、山を降りてから妙法寺まで来るのにかなりかかった(左上)。しかしこのあたりから正順で歩くハイカーとよくすれ違うようになり、道を聞けるようになる。地元関西のハイカーらは六甲全山縦走路を”全走”と略していた。学校脇からバス通りに出たところでまたわかりにくい。交番で聞いたり地元の人に確認しながら、ようやく須磨アルプス上り口に到着(右上)。

天気は晴れてきた
さらに暑い中、上る





 東山頂上253m(左上)。7,8人ハイカーが休んでいた。須磨アルプスへの分岐には、「岩が脆く強風、雨のときは注意」と看板にある。
 右上:須磨アルプスから槙尾山方向を望む
 左下:須磨アルプスとよばれる鞍部への下り    右下:須磨アルプスを東から西へ見たところ





 こういう感じのところを行くが、ロッククライミング的なところはない。ただ、すべりやすい。
 西から来た爺さん3人連れは、鞍部の入り口から下を見下ろし、立ち止まっている。逆から私が来るのを見て動き出した。すれ違ったとき「すごいところだね」と言っていた。景色的には面白い。六甲最高峰の裏のほうなどにも、こうしたボロボロの岩山尾根があるらしい。





 須磨アルプス通過後も、風化した古い道が続く(左上)。
 槙尾山頂上(左下)312m  標高2〜300mのこのあたりは照葉樹が多い(右下)





栂尾山頂上274m(左上)

槙尾山や栂尾山から須磨アルプスにかけて、順コースで歩くハイカーとときどきすれ違う。みな口々に「暑いですねー」と言っていた。

右上:全走コースはいったん山を下り、さらに塩屋へと続いている
奥の山が旗振山

左:栂尾山からの下りの階段
順コースでは登りになる。もう11時近いのに、まだ登って来る爺さんがいる。熱中症にならなければよいが・・・

予定では塩屋まで行けると思ったが、逆コース歩きとコンビニ探しで時間をロス、もう気温もかなり高く、そんな中歩くのも体に毒だ。午後は予定があるため、この先は断念してバスで須磨駅へ



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