北   ア   ル   プ   ス
後   立   山

 山で会う中高年男性は薀蓄好きが多い。日本アルプスを歩いていないとばかにしたりするので、奥多摩里山がメインでも南北アルプス縦走する体力くらいはあるよ、ということで、とりあえず今のうちに歩いておくことにした。
 行ってわかったが、北は一般ルートは整備され歩きやすい。知り合いから聞いた話だが、知人のご主人が丹沢で滑落死した、北アルプスによく行く人だったのでまさか丹沢で亡くなるとは思いもよらず、最初警察から電話があったとき「怪我はどの程度ですか?」と聞き、「いや、亡くなりました」と言われ驚いたという。低山でも、あまり人の歩かない山は手厚く整備されていない(丹沢でも鍋割の西のほうなど)。自然のままなので、かえって危ないと思う。

 北アルプスは縦走すると、2週間以上かかるという。それは厳しいので区切り歩きすることにした。白馬以北は(親不知に出るので)奥の細道歩きにくっつけられそうと分離、裏銀座以南は混むしメインコースなので試し歩きには向かない、ということで、まずは北アルプスとはどんなところか、白馬から針ノ木峠まで歩いてみることにした(今回は結局雨で種池から下りた)。キレットは登りで通過したかったので(牛首は下りになるが)、南下コースにした。



日本アルプス目次:
   北アルプス縦走:後立山 扇沢−裏銀座 槍穂大キレット 剣岳 十字峡 栂海新道
       東西鎌尾根 焼岳 合戦尾根−徳本峠 雲ノ平 笠ヶ岳 西穂奥穂

   南アルプス縦走:前半(野呂川−塩見−荒川)  後半(赤石岳−聖岳−茶臼岳)
       北岳−間ノ岳−農鳥岳(1993)
       白峰南嶺 仙丈ヶ岳(仙塩尾根) 甲斐駒ケ岳(黒戸尾根)
   中央アルプス:木曽駒 越百−安平路



北アルプス 後立山  2013年7月下旬

猿倉−白馬(村営頂上小屋) 白馬(村営頂上小屋)−唐松岳頂上山荘 唐松岳頂上山荘−五竜山荘
五竜山荘−冷池山荘 冷池山荘−扇沢

1日目 コース記録:6:00猿倉7:30−8:25白馬尻8:35−10:30雪渓終わり10:40−小雪渓11:30−村営頂上宿舎12:40

 夜行バスで猿倉到着、しかし梅雨末期の大雨が続く。白馬尻まで行く途中の沢が増水している、白馬尻でも雪渓から上へ登るのを止めている、との情報で、しばらく様子を見ることに。大勢猿倉荘で停滞していた。中高年グループや熟年夫婦連れが多い。たまに山ガール風女性2,3人連れ。若者中年男性の単独や数人連れは、とりあえず合羽を着て白馬尻まで行ってみようと出発してゆく。
 ベンチで一緒になった老夫婦は、今回は白馬に数泊してのんびりするが、60代のとき白馬から針ノ木まで縦走したという。不帰キレットや八峰キレットがどういうところか不安だったが、それを聞いて60代でも歩けるコースかと感じる。



左上:小雨になってきた猿倉荘 このあと白馬尻から登っているとの情報が入り、合羽を着て出発
右上:ガスガスの登山道   右下:木橋の上から撮った沢





 白馬尻で軽アイゼンを装着し、いよいよ雪渓歩き。赤い粉のようなものを撒いて道筋をつけてくれてある(左上)。
左下:クレバス たまに、クレバスを避けるように左(南)側の土の斜面に道が迂回していることがあった。最初これがわかりにくく、たまたまそばにいた人が「その杭のところから斜面に上がるんだよ」と教えてくれた。このシステムがわかって以降、そうしたところは土の斜面も注意して見るようになり、道を見落とすことはなかった。クレバスのできるところは日々変化すると思われるので、道も状況に合わせて変更されているのだろう。

下:登ってきた雪渓を見下ろす





右上:雪渓終了 係員がいてあれこれ誘導していた。この後も係員のいる箇所があり、北アルプスは管理が行き届いていると感じた。アイゼンはずして歩き出す。





左上:小雪渓 アイゼン不要
小さい小屋を過ぎた先に、高山植物の解説板があり、係員がいて説明したりしていた。おそらく盗掘などの見張りも兼ねているのだろう。

左、下:白馬山頂直下は、いろいろ花が咲いている
(植物は詳しくないので名前は不明)





右上:村営頂上小屋 きれいな山小屋


2日目 コース記録:村営頂上小屋5:40−8:30天狗山荘8:35−天狗の頭9:00−10:50不帰キレット手前鞍部(昼)11:00−2峰南峰12:00−12:45唐松岳12:50−唐松岳頂上山荘13:00

 朝小屋を出る際、大学の医療チームが早朝から入り口付近に机を出して出発する人たちを見守っていた。このあたりにも、奥秩父や南アルプスなどに比べ、北アルプスは格段に管理が行き届いていると感じる。
左下:雲海  右下:これから歩く尾根 ちらほら縦走している人たちがいる





左上:旭岳(だと思う)    右上:遠くに見えるのが剣岳あたり(だと思う)
左下:白馬岳を振り返る(頂上付近に白馬山荘が見える)   右下:杓子岳のトラバース道





こんな感じで尾根道は続く  左上:これから行く尾根  右上:今まで来た尾根
左下:鑓ヶ岳山頂への分岐  右下:剣かなあ?拡大



 途中天狗山荘で休憩 山荘周辺は月山頂上に似た風景、なかなかいい感じの小屋で、水場もすぐそばにある(水場の感じが月山の仏生池小屋っぽかった)



左上:天狗の頭  右上:この先も尾根は続く  右下:天狗の大下り





左上:天狗の大下りの先、不帰キレットへ続く尾根
左下:不帰キレット手間の鞍部 皆ここで一休みしてからキレットへ向かう。私も腹ごしらえしてまずは落ち着く   右下:キレット開始



左:結構垂直に近い岩斜面を登る
下:有名な空中梯子


 不帰キレット、いちおうガイドブックには「山慣れた経験者が同行すれば初心者でも縦走可能」とあったので、また猿倉で60代の夫婦が通過したと聞き、だったら行くしかないでしょ、という感じで登った。垂直近い岩斜面も、鎖もあるし三点支持すればくいくい登れる。登る行為に集中してしまえば下を見ないし怖くない。下りは怖そう・・と思うが、ガイド本には「逆コース(つまり下り)でも特に問題はない」とある。
 空中梯子の話を聞いたとき、バランスとれるかなあ、と心配だったが、脇に鎖もあり安定して渡れた。



右上:大下りとキレットを振り返る
左下:不帰2峰南峰  右下:山頂から大下り、キレットを振り返る





左上:これから進む唐松岳

右上:唐松岳山頂
日本語、英語、ハングルで表記がある

左:唐松岳頂上山荘を望む
唐松岳と山荘の間は大勢人が行き来していた。サンダル履きの人もおり、山荘に泊まって散歩、という感じの人が多い
 この日テン泊したのだが、テント場へ行っても数張しかなく、なんかテントが少ないなあと思った。夕方になっても5,6張しかない。ツェルトなので石でしっかり固定していると、雨がポツポツ降ってきた。なんとか小雨のうちに外で炊事して夕食をすませ、中に入ると次第に大降りになった。さらに風も吹き荒れ始めた。ツェルト大丈夫だろうか、崩壊するかも、崩壊したらそのままくるまっていればいいか、寝袋は防水だし荷物も濡れて困るものは防水袋に入れてあるし、と横になった。
 天気は一晩中大荒れ、西の谷底からゴーッと音がすると、やがてテント場にビュービュー強風が吹きつけツェルトがばたばたする。谷底から音がするたび、ああまたかあ、という感じ。崩壊よりもばたばた音が周囲のテントにうるさがられていないか、気になった。まあ雨音や風音が半端ないので大丈夫だろう。雨も大降りと小康状態を繰り返す。いちおうツェルトの上に防水シートを被せてあるので、その部分は染み出してこないため、とりあえず安心してすごせた。ツェルトは最後まで崩壊せず、梅雨末期の暴風雨に耐えた。


3日目 コース記録:唐松岳頂上山荘12:00−五竜山荘14:15

 翌朝もまだ雨が降り続いていた。状況がわからないのでツェルトをたたみ山小屋へ行く。昨日、夕方から北陸地方は大雨の予想が出ていたそうで、それで小屋泊まりにした人も多くテントが少なかったようだ。小屋入り口にはTVが気象情報を流している。「下界がすごいことになってるぞ」と言うおじさんがいた。白馬村で床上浸水だかしているらしい。雨はまだまだ大降り、しばらく様子を見る人八方尾根からさっさと下りる人で玄関はごった返している。小屋の人は今日は一日こういう天気だろうから、と八方からの下山を勧めていた。
 本当はこの日はキレット小屋まで行く予定だった。しかし、この雨で岩場歩きは危険と判断し、しばらく様子を見ることにした。食堂でコーヒーを飲みながら、今後の予定について考える。雨は風とともに食堂の窓に叩きつけられ、まったく止みそうにない。この時点でキレット小屋、新越乗越、針ノ木峠から扇沢、の当初の予定は崩れていた。今日ここにもう1泊した場合、天候が回復すれば明日キレット小屋、あさってキレット小屋から扇沢までなんとか下れそうではある。今日五竜山荘まで行かれればもっと楽になる。このまま天候が回復しなければ、無理して岩場へ向かわず八方か遠見尾根から下りよう。五竜山荘までは3時間あればゆくので、まずは12時まで待って決めよう。
 そうと決まれば、あとは天気を気にしながら待つだけ。暇なので豊富にある山岳雑誌をあれこれ読みふける。同様に食堂でコーヒー飲んだり何か食べながら待つ人も結構いたが、あれだけ大勢玄関にいた人たちも、いつのまにか出発していったようでだいぶ減った。



 11時半になって雨が止んだ。しかし霧がすごい。これで岩場のペンキを見落とさずゆけるだろうか?雨でモチベーションは下がるし不安はあったが、少しでも距離を稼いでおきたいので、お昼を食べた後ついに出発。

左上:八方尾根との分岐

右上:牛首 怖いとの話だが、ガスのおかげで高度感なし、おかげでまったく怖くない(笑)
濡れているのですべらぬよう注意しながらたんたんと下る
 とはいうものの、この日はなんだか集中力が続かない。出発当初、あわよくばキレット小屋、という考えが頭をかすめたのだが、これでキレット行きはとても無理、今日は五竜山荘までの休息日と心を決めた。



左上:大黒岳付近 次第、霧が晴れてきた
右上:鞍部の樹林帯 尾根は風が強く肌寒いのだが、樹林帯に入ると無風で蒸し暑い
左下:登山道にときどき池があったが、雨のせい?元から?





左上:白岳手前、西の谷   右上:白岳への登り道
左下:今来た道を振り返ったところ 東から雲だか霧が湧いている  右下:五竜山荘 晴れてきた



 ツェルトが濡れていたので小屋泊とし、外で乾かす(濡れていると重いので)。このとき初めて、乾燥室なるものが山小屋にあることを知った。服、靴下、登山靴などがところ狭しと干されており、寝袋だのを干す余裕はない。

 関西の山岳会所属という単独女性と、母娘で縦走しているやはり関西の二人と一緒になり、いろいろ話す。母娘は明日はキレット小屋泊まり、翌日八峰キレットを越える予定だという。こんな高齢の女性も歩くのか、と内心驚く。「昨晩、あなた唐松岳山荘でテント泊したんだって?あんな大雨の中よくテントで寝られたわね」と言われる。「窓にビュービュー雨が叩きつけて、すごかったでしょ」という。
 山岳会の女性は、20代前半という若さにかかわらず、やはりきちんとしていた。早朝3時半に出て行ったがほとんど音をたてない。以前、山慣れた感じに見える単独中年女性が隣になったとき、早朝からビニール袋の音をガサガサさせるので閉口したことがある。朝食の自炊に必要なものを、いろいろなビニール袋から取り出しているのだが、そんなの昨晩のうちにやっとけよ、という感じ。大体、スタッフバックなど音の出ないものでなくスーパーのビニール袋、という点でNG。逆隣の男性はまだ寝ているのに無神経きわまりない(案の定、後で怒っていた)。
 若者は結構音を立てない。テントでも早朝、ひっそり撤収していつのまにかいなくなっている。最初、テントは意外に音がもれないのかな、と思っていた。が、あるおじさんテントが物音で騒がしかったので、そういうわけでもないとわかった。中高年のほうがガサガサうるさいことが多い。




hidari.gif 中ア越百安平路五竜岳/鹿島槍 migi.gif


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北ア:後立山1/2/裏銀座1/2//大キレット/早戸//十字峡1/2/栂海新道/2/東西鎌/焼岳
常念/徳本/薬師/雲ノ平/神岡新道/笠ヶ岳/ジャンダルム/前穂      中央ア:木曽駒 /安平路
南ア:北岳/南ア縦走1/2/白峰南嶺/仙丈/甲斐駒           林業


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