東  海  道  3

 日本歩け歩け協会の平成の東海道53次大会に参加して3年目、いよいよ熱田神宮(名古屋)から京都へ向かいます。完歩ペースになったのでせっかくだから、と大会で歩かなかった部分についても、ゴール前年の2000年に”埋め合わせウォーク”をしてから、草津から京都への道に臨みました。
 人数が多いため自由歩行になっていた京上り組ですが、さいご草津(大津だったか?)からは隊ごとの歩行に戻り、みなで丸山公園に入りました。

安城−宮(熱田) 22k 1999

コース:(新安城駅)−JAあいち−来迎寺一里塚WC−知立松並木−御林地下道−知立神社WC−(富士松駅、豊明駅の北)−阿野一里塚−(前後駅西で線路越える)−大蔵池公園(昼)−桶狭間古戦場跡−有松鳴海絞会館−誓願寺(芭蕉供養塔)−成海神社WC−笠寺一里塚−笠寺観音−ブラザー工場−宮の渡し公園

宿:知立宿 鳴海宿 宮宿

 国道歩きと旧街道歩きを繰り返しながら、名古屋市内に入ります。

 静岡、名古屋、滋賀など旧東海道沿いの農家の庭先や畑では、必ず里芋が一列、おまじないのように植えられているのをよく目にしました。名古屋以西では、茎の青い里芋や紫のヤツガシラなど数種類植わっていました。茨城で畑を借りたとき、農家の人から「芋も植えといたら」と里芋を一列分くれたので、西のほうでもやっぱり里芋を植えるんだ、と気になりました。
 里芋は作りやすく病虫害もほとんどないので、かつては不測の事態に備えた救慌作物の意味合いもあったと聞きます。






蟹江近辺にて 上、左とも

左上:静岡の西から名古屋あたりの農村では、敷地内の祠をよく目にしたので撮ってみた




宮(熱田)−弥富 22k 1999

コース:熱田神宮南門−宮の渡し公園−(南西へ川を渡りJRを越える)−(東海通り西へ)−名古屋競馬場北−明徳橋−日の出橋−(旧道)−農業園(昼)−(旧道)−日光大橋−海屋新田南へ−神戸新田西へ−筏川沿い西へ−弥富町水郷公園

宿:なし 宮宿から桑名までは東海道で最長の27.5km間、宿がない(最短は御油・赤坂間の1.7km、平均9.3km)。江戸幕府は鎌倉時代の宿をそのまま認定したため、間隔がまちまちになったとのこと。このため 間隔の広い宿間には幕府非公認の「間の宿」があったが、大名や御家人は利用できず大名行列の負担が大きかったなど、詳しい話が国交省のサイトに載っている。

 国道1号の南の競馬場前を通る直線道をひたすら西へ歩きます。庄内川を越え日光川を越えると、田畑の広がる農村地帯です。その後、金魚の養殖で有名な弥富に入ります。

熱田神宮わきを行く  立派な直線道路
名古屋出身の母は、名古屋は空襲で焼かれた後、最初に(家が建つ前)道路を大きくとって整備したので道路がまっすぐで広い、とよく自慢していた(東京は国道でも曲がりくねっており、車の交通量が増えるたびに民家を立ち退かせて拡張を繰り返した)


名古屋市内は川が多い。堀川、庄内川、日光川と越える。

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右上:弥富の養魚場  弥富は金魚の養殖で有名なところ


弥富−四日市 22k 2000

コース:弥富町水郷公園−尾張大橋−伊勢大橋−(揖斐川沿い南下)−七里の渡し公園WC−桑名市役所南へ−(地下道)−町屋橋−(旧道)−朝日小学校(昼)−(旧道)−朝日橋−富田小学校WC−(旧道)−国道一号−市民公園

宿:桑名宿 四日市宿

 木曽川、長良川(揖斐川)と大川を越えます。このあたりまでは橋も限られるので国道歩きです。七里の渡しは宮の渡しと対応しており、かつて宮−桑名間は基本的に海路で渡り、その航路が七里だったので「七里の渡し」と呼んだそうです(海路になったのは、江戸時代は東海道の架橋が禁止されていたためとの説明と、木曽三川(木曽川・長良川・揖斐川)への架橋が技術的に難しかったとの話がある)。桑名市街をぬけ、東芝電気工場の脇を通る間道を通ってコンビナートで有名な四日市に入ります。



木曽川 出発会場から木曽川沿いに北へ進み(左上)、木曽川(右上)、長良川を渡る。



上:四日市への道:桑名近辺  桑名も趣のある街

上:六華苑 旧諸戸清六邸 桑名市内
鹿鳴館を設計したイギリス人建築家ジョサイア・コンドルが設計し大正2年建築された
              右上:宝性寺 伊勢西国三十三観音   四日市市内


四日市−亀山 24k 2000

コース:市民公園−(旧道)−日永の追分−(旧道)−内部駅西で線路渡る−内部橋−(国一に沿った旧道)−佐々木信綱記念館、石薬師小学校WC−石薬師WC−一里塚−庄野本陣跡−女人堤防碑−井田川小学校(昼)−井田川駅北で線路渡る−題目碑−亀山西小学校−(亀山駅)

宿:石薬師宿 庄野宿 亀山宿

 ここも写真がありません。やはりデジカメと異なり、フィルムカメラ時代はあまり写真を撮っていない・・・。四日市から国道と旧道を交互に歩き、庄野本陣あたりから亀山まではほぼ旧道を行きます。



亀山−水口 33k 2000

コース:亀山駅−梅巌寺−野村一里塚−公民館WC−神戸小外WC−関まちなみ資料館−関の地蔵院−西願寺−一里塚跡−馬子唄会館−鈴鹿峠−十楽寺−猪鼻−田村神社前、道の駅あいの土山WC−(旧東海道)−本陣跡−(旧東海道)−垂水斎王頓宮跡の南−(旧東海道)−大野小学校外WC−酒蔵−(旧東海道)−水口城

宿:関宿 坂下宿 土山宿 水口宿

 亀山から関宿まではほぼ旧道が残っています。関宿からは国道1号を歩いて鈴鹿峠へ(坂下宿、馬子唄会館のあたりは旧道あり)、鈴鹿もトンネルでなく山越えして再び1号に合流、山を下ります。土山から水口までは旧東海道を歩くことができます。



  旧東海道沿いに趣のある町並みが続く。関宿あたり



  右:鈴鹿峠への山道



  左:山中 おそらく十楽寺   右:土山宿か水口宿



水口−草津 22k 2000

コース:

宿:石部宿 草津宿

 ここも地図が残っていないので詳細不明、なぜか水口−亀山の東下り隊の地図が残っている。

右:野洲川

下:国宝 地蔵尊とある寺にて コース地図になく、どういうお寺か調べてみるたところ、六地蔵付近にある法界寺というお寺らしい。その本尊の木造地蔵がかつての基準で国宝、現在では重要文化財となるそうだが、現在この寺は無人だという。




草津−大津 15k 2001

コース:草津市役所−野路の玉川跡−弁天池−月輪池−瀬田東市民センターWC−一里塚跡−近江国府跡−建部大社WC−瀬田の唐橋−膳所城址公園WC−大津宿

宿:大津宿

 歩き始めは国道歩きが多いですが、瀬田あたりから国道を離れ、史跡を見ながらのんびり歩くことができます。瀬田の唐橋を渡るとあとは琵琶湖沿いに北上して大津へ至ります。




上:琵琶湖


右上:みな三々五々琵琶湖畔で昼食を楽しんでいた

左:竹簾が印象的な民家




大津−円山公園 15k 2001

コース:(京阪島の関駅)大津宿−札の辻−小関越え−県境WC−(琵琶湖疏水)−天智天皇陵−御陵駅−蹴上駅−円山公園−(三条大橋)

 いよいよ大会最終日。この日は大津宿から久しぶりに隊ごとに歩きました。国道1号が逢坂山トンネルで越える山を、札の辻から登って越えて京都府に入ります。小雨の降る中、山科の山際に沿って京都へ向かって進みます。


京都三条大橋へ向かう道 蹴上付近


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丸山公園にて


 こうして日本歩け歩け協会(当時)のおかげで、東海道を無事、完歩できたことに感謝している。コースの設定、道間違いを防ぐための要員の配置、団体歩行を可能にするさまざまな準備など、手もかかるのでご苦労様だ。

 大勢で歩くのは楽しい。行き帰りの電車の中や食事に入った店、宿などで大会の帽子をかぶったオジサンオバサンがうろうろしているのを見かけると、なんとなく”お仲間だ”と嬉しくなる。友人らも、「なんかあの帽子被った人たち、かわいいね」と言っていた。

 一方、参加者にほとんど若者を見かけなかった。常時歩行者の中では私たちが最年少に近いと思われ、大半が50代以上だった。

 東下り隊の人に会ったとき、隊ごと歩行で同じ隊の人たちとも知り合いになれる、みな仲が良く結束が固いと聞き、それも楽しそうで羨ましいな、とそのときは思ったのだが、その後同じく日本ウォーキング協会の奥の細道ウォークに参加したとき、隊の人と気の合わない友人がいて結局参加するのをやめてしまったので、難しいところだ。
 団塊の世代は仲間作りが好きで、知らない人同士でも集まればワイワイやれる。それより上の年代の人たちは村社会に近い対人関係のスキルがあり、気の合わない人がいてもその場は合わせて、相手を排除したり自分が脱退することもなく、そのまま一緒にやってゆける人が多い。一方、その下の世代は個性尊重が強すぎて、人と合わせること自体が苦痛だったりプライドが許さなかったりで、それなら一人のほうがいいや、となる人も多い。

 こう考えると、こうして大勢で歩く企画が可能なのも、団塊やその上の世代の人たちが元気な間までなのかもしれない、という気がしてくる。



歩行年:1999、2000、2001

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