東 京 里 山  2017−18編 4
(よ こ や ま の 道 南 2)

 かつての里山の風景がまだ残る横山南斜面その2。特に押越の景観は、気に入っている。      2011年の様子はこちら: 鶴見川源流/野津田布田道/小野路

多摩丘陵開発考その3   『ニュータウンの社会史』より抜粋
1965頃 柚木清浄野菜出荷組合が最初に反対運動 集落だけでなく田畑山林も計画区域からはずすよう陳情
1966 堀之内 旧由木村全域外すよう陳情  この頃南大沢、稲城の坂浜でも反対運動
都その他の関係者:そもそも既存集落の全面買収は不可能とする意見有力になる。ただ新住区域から外すと、集落部分の河川改修、街路築造、下水道整備が困難になる
公団側:集落の上記工事を先行しないと、丘陵部の本格造成ができないため、早期解決を都に迫る
1966 都は既存集落を計画から除外、区画整理事業として行うことにする
しかし地権者は、既存集落の除外と共に、農耕地の除外も望んでいた。一方、都や開発側にニュータウン内に農地を残す発想はなかった
また新住法で丘陵地を買収され、区画整理事業で街道河川整備用地のため宅地公共用地を減歩される、休農等への損害処置がないことへの不満から、区画整理事業に対しても反対運動起こる
1968 進行状況から、開発事業は全面見直しは困難とされる
 ・山林から買収したため、一度土地を売った経験は抵抗感を薄めた。また、桜ケ丘団地や府中カントリークラブで、農家が現金を取得するのを見聞きし、開発に期待する農民も出てきた。
 この結果、山林をもてあまし気味の有力地主層と、耕作規模が小さく兼業化が進んだ零細農家が売却、陳情中も陰で買収が進み、後戻りできないと認識されるほどになっていた。
 ・多摩村自体、丘陵で工場誘致ができず、京王の桜ケ丘団地開発を見て団地開発に活路を求めていた。

ニュータウンの問題点:
・多摩ニュータウンの根拠となる新住法は、大量の宅地供給を目的としていたため、宅地以外の立地には制約と困難があった。このため、住宅とその関連施設のみの居住機能に特化した町となり、(農業だけでなく)商業工業など他の産業を完全に欠く「無産業地帯」となった。
・団地を建設すれば人口増加、商業活性化、地元自治体も豊かになると予想しがちだが、実態は逆だった。一時的に大量人口流入、道路下水道学校などインフラ整備に多額の支出が求められる。当初、団地建設は地元自治体に公共投資の財政負担を押し付ける形で進められ、財政破綻の危機に陥る自治体も出てきた。
1966,67 八王子市と町田市で、事業主による公共施設用地の無償提供と水道敷設費負担、農業用水と一般排水の分離を決定
「いたずらに国、公団、公社の住宅政策、民間企業の乱開発の犠牲になり、市民生活を擁護する自治体本来の機能を喪失」(町田市の通称「団地白書」より)
1968頃 地元自治体にとって法人税収も必要なため、業務施設立地を陳情
1971 多摩市 地元自治体の財政負担問題、鉄道問題(小田急と京王の延伸工事が遅れていた)、総合病院開設(夜は無医村状態だった)、行政区画変更の4問題が解決しないと、市は住宅建設に一切応じないと決定、3年間建設がストップする
1974 多摩市は財政難から、高所得者ターゲットの要望を提出。住宅数20%減、緑地大幅増、3DK4DK以上増、都営30%→15%へ減、分譲:賃貸2:8→4:6、都はほぼ認める
1988 新住法改正 区域内に「特定業務施設」立地可能になる
  (2017−18編5に続く その2はこちら



目次: 図師-長尾根-小野路城-小山田-大沢  小山田緑地-打越-鶴見川源流



図師-長尾根-小野路-切通-小山田-大沢  2017年冬

図師から小野路



 上:図師   お寺裏から登り畑を通って半沢に出る





 上:半沢   左下:長尾根への登り口







 右上:こうせん塚の解説   左下:スダジイの大木とこうせん塚の祠
 昔麦こ?し(こうせん)を喉に詰まらせて亡くなった老婆を祀ったという。咳の病気治癒を願って茶碗や竹筒に茶を入れて奉納祈願した。由来については、小野路城の関門があり「通せん場」と呼ばれたのが転じ、また関の神→咳の神に転じた、あるいは落城のとき交戦があり死者を祀った墳墓を交戦場と呼んだのが転じたともいう、とある。
 尾根上に家がある。これくらいの距離感にある尾根上の家に、なんとなく憧れる(そうきつい高さでない、人里からさほど遠くない、でも見晴らしはよい)





 右上:小野井戸 小野路城の水源。もう一か所滝つぼと呼ばれる水源もある。水量は少ないが日照りにも枯れないという。小野小町がこの水で目を洗い全快した伝説もある。仙人水とも呼ばれたという。



 小野路城の丘界隈は、いい感じの森で、見晴らしがよい。





 城のある丘の東斜面に牧場がある。万松寺谷と小野路宿方向へ、道なりに南東へ下る。
 斜面には畑も広がる。









 小野路宿の車道を渡り、切通しへの道を登る(左上)。
 下:切通しから北へ進と、Y字路にお地蔵さんが立つ(右下)。この光景も、7年前と変わらない





 Y字路を左に進み(左上)、恵泉手前から石久保に下りた(左下)





 左上:石久保、奥に横山の尾根上にある給水塔が見える
 横山の尾根へ向かって道なりに谷戸の奥へ進む
 右上:横山の尾根直下に数軒家がある。ちょうど人がいたので尾根に出られるか聞くと、「歩きなら出られるよ。自分はもう行かれんが」、と写真左下の道から出られると教えてくれた
 右下:尾根上から南方向を望む





 横山尾根を西に少しゆくと、南へ大きく突き出たところがある。ここから南の小野路城方向へ下る(左上)   右上:道沿いの集落



 ちょっとこのへん、定かでないが、キャノンの縁を歩き、小野路城北の集落から南の小野路城に登る尾根道を歩いたと思う





 右上写真あたりで、南北道は東西の道と交差する。南へ直進すれば小野路城だが、お城はさきほど行ったので西へ向う。
 小野路城北一帯は、広く藪や雑木が残り、歩いていて気持ちが良い。おそらく多摩ニュータウンの丘も、かつてはこうした風景だったのだろう。
 やがて谷戸を下る。右下写真の奥の尾根が、小野路城のある山





 左上:竜沢上に出た 車道を少し北へ歩く。大沢の西をぐるっと回る山道が国土地理院地図に載っているので、入ってみる(右上、下)





 左上:東京国際カントリークラブそばに出てしまった。
 右上、左下:東へ下り、図師からの車道を渡って、右下:小野路城北尾根の西側の、最も横山尾根寄りの集落に入る(さきほど下ったのは東側の集落)





 地元の人に聞くと、病院方向へ曲がらず直進すれば、横山の尾根に出る道があるという。「まっすぐ行くと行ける。草刈りしたから行ける」というので、行ってみた。右上は途中にあった不思議な家。町田や八王子の里山では、ときどきこうした、自作だの買った物だのをいろいろ内外に並べた(飾った?)家を見かける。
 下:行くとアズマネザサを刈った道。足元に株を感じるので、かなり荒れていたのを刈ったようだ。これは大変だったろうと思う。南野三丁目に出た。




小山田緑地-打越-鶴見川源流  2017年冬




唐木田から横山の尾根に上がり、
上:清掃工場の南を小山田緑地へ下る

左、下:小山田緑地







 善治ヶ谷付近をぶらつく。このあたりもいい感じだ。田畑を守り景観を守る人々がいる





 小ヶ谷の北から、谷戸沿いに横山へ登る山道を行ってみる







 道は横山まで、しっかりついていた。左上は谷戸に並行して走る西の尾根を望んだところ
 右上:横山の尾根頂上に建つ物流だかのビル
 下:横山から押越へむかう道を下る





 押越 ここはいつ来てもいいところだ。丘上に広がる畑が、どこかの高原を思わせる





 上下:西へ下って、田中谷戸付近を散策





 鶴見川源流へ向かう  右下:鶴見川源流の泉





 上:源流あたりに、車道の南側の谷戸に入る道がある。西の小山内裏-戦車道路尾根に出られるか、行ってみた。基本、作業道なので最後の登り部分は通じていないが、踏み跡があり丘上の駐車場に出られた。駐車場は、小山の尾根から東に突き出た広い台地上にある。
 下:この谷戸の南側の尾根には大きな病院が建っている。その脇を尾根沿いに東へ下りてみた。尾根直進なら源流付近に出るが、南の平台方向の谷戸に下りた。





 上:平台から南へ進み、病院尾根の1本南の尾根に登り返して再び小山の尾根に向かう。この道は以前何回か歩いたが、産廃施設の多い、トタン塀で囲われた道で、歩いて楽しくない



小山の尾根に登ったら、駐車場台地へと北に向かう。

左上:台地上を、さきほど源流から入った谷戸の北尾根に進む。

右上:谷戸北側の尾根を、東の源流方向へ下ってみた。あまり整備されておらず、藪がひどかったが、
左:無事谷戸入口に出られた





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