北   ア   ル   プ   ス
扇   沢  −  裏   銀   座2

 北アルプス縦走を目指し、扇沢から双六小屋までの2ページ目です。
 意外とハードコースだった新越から烏帽子岳までを終え、このあとは裏銀座をまったり進みます。



日本アルプス目次:
   北アルプス縦走:後立山 扇沢−裏銀座 槍穂大キレット 剣岳 十字峡 栂海新道
       東西鎌尾根 焼岳 合戦尾根−徳本峠 雲ノ平 笠ヶ岳 西穂奥穂 北穂奥穂

   南アルプス縦走:前半(野呂川−塩見−荒川)  後半(赤石岳−聖岳−茶臼岳)
       北岳−間ノ岳−農鳥岳(1993)  早川尾根
       白峰南嶺 仙丈ヶ岳(仙塩尾根) 甲斐駒ケ岳(黒戸尾根)
   中央アルプス:木曽駒 越百−安平路 空木岳−仙涯嶺



北アルプス 扇沢から裏銀座  2014年8月上旬

扇沢−新越山荘 新越山荘−船窪小屋 船窪小屋−烏帽子小屋
烏帽子小屋−三俣山荘 三俣山荘−新穂高温泉

4日目 コース記録:烏帽子小屋4:50−7:30野口五郎小屋7:40−10:30水晶小屋10:45−ワリモ北分岐11:10−三俣山荘13:00

 朝から霧雨、このあとずっと雨は降り続いた。



 左上:烏帽子小屋  右上、下:朝モルゲンロードが若干見られた 特に左下、光が十字のように見えたが何か気象現象だろうか。右上写真に写る若者らとしばらく同じペースで進む。





涼しいので結構サクサク進む。ずっと森林限界を越えた尾根歩き、天気がよければ周囲を含めすばらしい景色では、と思うがガスで何も見えない。真っ白な中、ただひたすら雨に濡れてとぼとぼ歩く。
左下:イワツバメ?何やら鳥が飛んでいた



 左下あたりで三ツ岳を通過した筈だが、ガスのためか山頂標識を見落とす。烏帽子小屋から三ツ岳までは登り、あとは水晶岳までほぼ水平にひたすらのっぺりした広い尾根をゆく。途中お花畑コースと尾根コースに分かれるところがあった。雨の中お花畑の気分でもないので尾根を選択。後ろから声が聞こえていた先の若者らはお花畑を選択したようで、しばらく下から声がしたが、その後差が開いたようで合流後も声は聞こえなかった。



 7:30烏帽子小屋到着。雨が降りしきっており、止まると寒い。数人が行動食をとったり立ったまま休憩している。10分ほどトイレ兼行動食で休み、野口五郎岳へ登り始める。右上:野口五郎岳手前





 野口五郎岳山頂付近は大岩がごろごろしていたが、ここも山頂標識を見た記憶がない。山頂が広くのっぺりしてどこもありえるうちに通過してしまった。右上、左下は野口五郎真砂岳間だが、感じとしてはこんな感じ。こういう大岩の積み重なった山頂は、蓼科などときどきある。どうして山頂が大岩で覆われているのか不思議だ。火山活動か何かだろうか。




右上:真砂岳付近 ここも山頂見落とし(^^;)

左:真砂岳の先に、何やら赤い石の一帯があった
赤岳という山名の由来はこの石だろうか

雨だがさすが裏銀座、蓮華−烏帽子間よりポツポツ歩いている。
中高年の女性数人連れ男性数人連れ、単独の若者や初老男性若い女性などなど。

右下:水晶岳の標識






 左上:水晶小屋 このあたり、強風と横殴りの雨で最悪。この小屋前でも数人がザックをベンチ上に置き行動食を取り出したりで立ったまま休んでいた。3人連れの一人が手がかじかむ、と言う。ふだんは軍手、岩場のあるところは作業用の緑のゴムつき手袋で山に登っており、このときも作業用ゴム手袋だったが、確かに濡れると冷たい。綿の部分も冷たいし、ゴムに水がたまる感じがある。真夏だからいいが、春秋に高山で軍手やゴム手は雨の場合まずいのではないか、と感じた。奥多摩丹沢ならともかく、3000m級はやはり登山用の手袋を用意したほうがよさそうだ。
 右上:ワリモ北分岐 天気悪いので鷲羽山登っても意味ない気がして、雪渓道を選択。標高が下がると雲の底を出て雨がやんだ。



左:雲ノ平への道との分岐
登ると再び雲の中に入り雨

午後1時に三俣山荘についてしまった。双六小屋まで歩くか迷うが、雨の中歩いてもつまらない気がした。
小屋の人は一週間はこんな感じの天気だろうという。水晶小屋方向強風注意の張り紙があった。槍も強風だと危ないという。テントもツェルトなので滲みやすい。寒いし早々に小屋泊とした(ヘタレですが^^;)。
 先の雪渓にいた若者グループから二人が小屋に来て、女の子が一人動けなくなった、救助に来てほしい、と言っている。テント泊の学生らで烏帽子で雨にやられ濡れてしまった、濡れたまま持ち歩いてどうこう言っている。低体温のようだった。ツェルトだけでなくテントでも濡れるんだ、濡れると体調崩すんだと思う。このほか小屋の人はどこそこで滑落があった、十数m滑落したというから結構大変だと思う、と話している。

 部屋に入り話していると、「今日は天候が悪くてあちこちで事故があったようだ」と聞く。「さっきも三俣蓮華岳で迷ってしまった、という人に会った。晴れていたら迷うようなところでないが道標を見落とし道でないところに入ってしまったらしい。たまたま人に会い、助かったと言っていた」という。彼女も「天気は明日もっと悪くなる。槍に行っても肩から上には行けないのでは」と言う。みな「普通は梅雨明けした7月末から8月第一週が一番天気がいいが、今年は違う」「去年も変だった」と話している。
 針ノ木から歩いてきたというと、例の水場の話になり、彼女らから「船窪の水場は、そこで水を汲めた人がその先を歩けるという試金石になっている」と聞いた。自分たちは行ったことない、ああいう危ないところは行かない、でも有名だからね、いろいろ聞いて知っている、そしてどうだったかと聞くので「結構長い鎖やザレた蟻の戸渡りなんかがあって変なところでした。よく死人が出ないと思った」と言うと「そういう変なところはわかった人しか行かないから、案外事故は起きないのよ。人のよく行くようなところで事故はよく起きる」と言った。「すれ違いも大変だ、て聞いたけど」と言うので 、「普通の樹林帯もあるから苦労した覚えない。そもそもあまり人が歩いていないからほとんどすれ違わない。」と言うと「そうよね」と笑っていた。すれ違いは3,4人だった気がする(うち一人白人男性がいた)。



5日目 コース記録:三俣山荘5:00−7:30双六小屋7:45−弓折乗越8:45−鏡平小屋9:15−11:30わさび平小屋11:40−新穂高ロープウェー12:35

 雨はほぼ止んでいる。でも午後から雨の予報。左下:三俣山荘  右下:三俣蓮華岳への分岐
ここは登らず、巻き道を行く





 次第に晴れてきた。青空のもと、すばらしい景色が広がる。





 右上:向かっている槍ヶ岳方向は雲に覆われている





 左上:北東の樅沢方向   右上:鷲羽岳ワリモ岳がきれいに見える







ちょうど高山植物もたくさん咲いていた(三俣山荘で事典を見せてもらうが、黄色や白い花でもたくさん種類があって、よくわからない)





 左上:北東樅沢方向   右上:雪渓の水があちこちで小川になって流れている  
 左下:来た道を振り返る    右下:これから向かう双六小屋方向
 双六小屋から登った尾根の上から歓声が聞こえてきた。10数人のグループが尾根上に立ってこちらの方向を見下ろし、写真を撮ったりはしゃいでいる。さすが裏銀座









 急に曇ってきた。先の小屋上尾根から下りてきた一団とすれ違う。韓国語でしゃべっていたが、すれ違い時には日本語で「コンニチワー」と口々に言う。これが噂の北アルプスに多いという韓国人御一行か、挨拶しないと聞いたがちゃんとしているじゃない、と思う。小屋では韓国語の表示もよく見たが、後立山から双六まで歩いて、はじめて韓国人に会った。日韓関係の悪化で去年今年は減っているのだろうか。





 左上:双六小屋    右上:キャンプサイト脇の池
 双六から槍ヶ岳へ向かう西鎌尾根はご覧のとおり雲の中。昨日の裏銀座歩きと今日の双六岳巻道コースで、つくづくやはり晴れていないと楽しくない、景色も全然違う、と痛感した。西鎌尾根も晴れていれば絶景だという。こんな雲の中歩いてもつまらないし、単に登るだけになってしまう。さらに風も強く寒いほど。ということで、今回はここで下山することに。
 小屋前で体操をしていた大学生グループも、「天気もよくないのでまた今度」とリーダー格の学生が告げ、皆で下山を開始していた。ということで以下、高山植物の写真を多数。

















 ガスの中雨がぱらつくが、昨日のような大降りはなかった。中学生くらいを20人ほど引き連れたグループ2組とすれ違う。テントを担いでいる。中には空身の子も(バテた?)。「テント泊?」と聞くと「はい」、「双六小屋?」「あ、はい」。槍ヶ岳でも登るのだろうか。





左上:弓折乗越の分岐点  学生グループは一人の女学生が大ブレーキ、男子は「わさび平までノンストップ!」と騒いでいるが、ここで大休止していた。

右上:鏡平小屋
後で人に聞いた話だが、この小屋は槍穂のよく見える
景色のよい小屋として有名だという





 左俣川を渡るところで家族連れ数家族がピクニックしていた。しばらく休憩、その後もさくさく歩いてわさび平小屋に着くと、リンゴ、キュウリ、トマト、オレンジ、スイカを流水で冷やしている。新鮮果物とらないと、とオレンジを食べる。やはりとてもおいしい!



 このあと新穂高温泉に出てバスで平湯へ。平湯バスターミナルは大きい。このへん、あまり来たことないのでその賑わいぶりに驚く。ターミナルビルに温泉施設もある。さっそく入って高速バスで戻った。



hidari.gif 扇沢烏帽子岳槍穂−大キレット migi.gif


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