東 京 近 郊  の 山  尾 根 歩 き
秋  山  へ  の  道

 秋山郷へは、中央線が通る桂川流域から峠越えをして入る。メインの上野原からは天神隧道、秋山トンネルと2つのトンネルを抜ける(峠越えではないが、車の場合はさらに田野入トンネルも通る)。
 秋山への古い峠道を歩いてみた。

目次 秋山への道:田野入峠  桜井峠  金山峠  一古沢峠  大地峠  雛鶴峠  藤野−奥牧野

    秋山1:無生野−奥牧野  高柄山の尾根道  立野峠から倉岳山  金山峠から一古沢
    秋山2:無生野−赤鞍ヶ岳−厳道峠−綱子  安寺沢−金波美峠  阿夫利山
    秋山3:田野入峠(天神峠)−金剛山−天神峠−高倉山



秋山への道:田野入峠(天神峠)

2011年5月初旬
コース時間:田野入の路供養の石碑から上野原側トンネル脇まで15分ほど


上野原から秋山へ行くには、まず天神隧道を抜ける。狭いトンネルで車はすれ違えないし、徒歩だと少々怖い。

このトンネルができる前は田野入峠を越えていたという。高さはさほどでないが、冬は北斜面が凍結し難所だったらしい(こちらのサイト−峠のむこうへ−に詳しい)

峠への道は、田野入から入る場合、路供養の石碑脇の道から上る。上:登山道入り口付近

左:途中にあった神ノ虫影山大権現の石碑(古福志の古峰神社への道にも養蚕の碑がある)。この脇に西の尾根への上り口がある
下:田野入峠  金剛山への尾根道は右の岩を上る





左上:峠の西尾根にある天神社

北斜面は杉の人工林で、そのまま下りられそうだが、山腹を東へ踏み跡が続いている
どこへ出るのか行ってみた

やがて小さい沢に出て、踏み跡は急斜面を沢へと下っている(右上)
上りはともかく、下りは急すぎて歩きにくい

沢に出たら沢沿いに下る
普段は水がないようで、缶だの紙パックだのが捨ててあり、人が入っている形跡ありあり
やがて隧道碑の脇に出た(左:石碑の右の沢が入り口)


下りは人工林から行ったほうが
歩きやすい気がした

いずれにせよ峠の北斜面は
人馬が通れる感じではなく、かつての
生活道はどこにつけていたのか謎だ

現在、新しいトンネルを掘削中(2010,2011年現在)
これなら車もすれ違えそう

2012年 新天神トンネル開通

天神峠の上を西と東に歩いてみた−こちら




秋山への道:桜井峠

2010年春、冬   コース記録:落合−桜井の旧道はいずれも20分程度

 天神隧道から田野入、落合と行くと秋山トンネルがあり、ここを抜ければ秋山郷に出る(最近、落合を通らずに田野入トンネルを抜けるバイパスができた)。
 秋山トンネルの西にはかつての峠道と旧道があるので行ってみた。
 左下:田野入  右下:落合




 旧道のトンネル桜井隧道へ分岐する脇に、桜井に出る峠越えの道がある(左上)。
右上は峠。桜井側は舗装されていた(左下)。猪避けの柵は通ったらきちんと閉める。
右下:桜井の段々畑(南斜面)


左下:桜井隧道  秋山トンネルができるまでは車もここを通ったらしい。昼間歩いてみたが、中は照明がつかず真っ暗、歩いているうち平衡感覚方向感覚がおかしくなってくる
新道の秋山トンネルも照明をけちって(?)いるのか数個に1個しか照明がつかず薄暗い。歩道がついているが、暗すぎて方向感覚がおかしくなり、まっすぐ歩きにくい不思議な感じになってくる。車道に落ちるのではとすら思う。
なぜか田野入トンネルはガンガンに明るく歩きやすい(このトンネルはバイパスで峠越えではない)
右下:金山集落





秋山への道:金山峠

2011年2月初旬 金山から秋山郷古福志に出る峠道があるので行ってみた
コース記録:上野原駅12:30−金山13:45−古福志14:45
(よい時間のバスがなかったため駅から歩く)



金山神社の道路を挟んだ向かいに小さい空き地がある。この奥に草に覆われた入り口があった。これが正式の峠道の入り口なのか単なる作業道か不明だが、そのまま進むと無事尾根に出られた。それにしても、冬でも草に覆われわかりにくい入り口だったが、夏行くとどうなっているか?
ただし、入ると人工林でわかりやすい道になる(右上)。
左上は神社前の道を先まで行ったところ。ゆきどまりになっている。



左上:大地峠から下りてくる尾根道に出た
尾根道は歩かず、そのまま秋山へ下りる
標識は三方向しか示していないが、峠は十字路になっていて、東尾根から一古沢へ下りることができる

右上:古福志への道

左:古福志の出口付近(2011年5月初旬の写真)

古福志側入り口から入った場合、金山峠への標識を見おとしやすい。 直進する作業道が明瞭すぎるためだ

左手にタンクが並ぶ箇所を右折し、木で補強された箇所を通ってすぐ、沢の対岸(左手)に大地峠への上り口を示す標識がある
道なりに直進せず、ここで沢を渡り標識の道を登ると、金山峠に出られる(直進すると沢の中で途方に暮れる)

 かつて神野や古福志あたりの人は、歩いて上野原に出るとき、金山峠を越えていた。上野原が見えてくるとうれしいが、そこからが遠かったという。

 金山を歩いているとき、高柄山への登山口を見つけた。国土地理院の地図には載っていないが、標識も新しく最近整備されたようすだった。



 この古福志から入る登山道の車道をはさんだ向かいに、古峰神社への道がある(写真左上:4月初めお祭りがあるとかで幟が立っていた。普段は立っていない)。道はすぐ二手に分かれ、左は神社への道、右へ行くと丘上に蚕影山天神と書かれた養蚕の碑がある(写真右上)。古福志養蚕組合が昭和21年に建てたもので、蚕の字に天二つ、日、虫二つの旧字を使っている。蚕の碑は田野入峠(天神峠)にもある。かつてこのあたりは養蚕がさかんだった。
 右の道を下る。左下のような山道に細い電柱が立つが、電線が下に垂れている箇所がある。まさか通電していないだろうが・・・、廃集落でもあるのだろうか。やがて廃屋を見つけた。小型のトラクターもあったが、細い山道、一体どうやってトラクターはここまで来たのだろう。やがて秋山川へ出た(右下)。誰もいないかと思ったら釣り師がいた。





秋山への道:一古沢峠

2011年5月初旬  コース時間:一古沢から落合側出口まで30分程度

 安寺沢出身の人から、かつて島田(上野原)に下宿して八王子の学校に通っていた、週末になると家に帰り、日曜の夕方米だの野菜だの食料を背負って一古沢の峠を越えて島田に戻った、今でもあの道があるかどうか知らんが、という話を聞いたことがある。
 そこで、一度この道を通ってみようと思った。


 左上:一古沢バス停そばから上る車道奥、山道に変わるところ。道は明瞭に残っていた
 (夕方で光量不足、少々ピントがぼけています。フラッシュ焚くと色が変わってしまうので・・・)
 右上:峠の三叉路 東に尾根道が続くが、ここは北へ峠越えをする



ちょっと斜面の道が崩落している箇所も
あるものの(左上)、道は明瞭に続いていた

右上:落合近く、堀割状のいかにも古道という箇所

左:落合側に出たところ

田野入トンネルと落合集落への分岐点向かいにある空き地の奥が、峠の入り口だった




秋山への道:大地峠

2010年6月中旬   大地峠への道は四方津から入る
コース記録:四方津駅10:20−大地峠11:50−大地12:30




左上:道沿いの石仏(往時の生活道をしのばせる)
何箇所か崩落箇所があるが、ロープが渡されたり簡単に整備されていた。事故もあったようで、数年前の日付で「某君ここに眠る」の立て札があった。

右上:大地峠付近(標高600mほど)。東西の尾根道は整備されており、猿橋あたりから上野原まで尾根歩きができる(高柄山733m、矢平山860m、倉岳山990m)

現在林道が整備されつつあり、数年前の5万分の一地図によれば大地峠トンネル(右下)の上を大地峠越えの旧道が通っているはずだが、ヘアピンカーブの車道で分断されたのか見つからなかった。車道を下ると大地集落

左下:東西の山並の手前の谷間が秋山、奥の谷間が道志村。その奥は丹沢の山





秋山への道:藤野−奥牧野

2010年6月中旬 藤野から奥牧野への里山コース
フラワーガーデン脇からハイキングコースに入るが、道が随所で崩壊しており(写真右)、登山靴でないと滑って危険(入り口に柵があったので、いちおう通行禁止らしい)
下:相模湖先端(桂川)




尾根に出ると道は整備されていた。葛原から登り口があり、今はそちらが使われているようだった。
左上:高倉山 378m  右上:お茶畑(日向) 
左下:日向にて。この牧野へのハイキングコースの入り口はよくわからなかった。
右下:日影原への道脇の滝 日影原から奥牧野に出れば、秋山郷一古沢はすぐ目の前





その他の峠道

 このほか、中央線沿線各駅から上る立野峠、寺下峠、穴路峠(いずれも登山道として残る)、道志村から入る厳道峠と金波美峠(いずれも車道)、月夜野峠(登山道)などがある。厳道峠と金波美峠、月夜野峠は道志山塊、立野峠、寺下峠、穴路峠は高柄山などの北尾根歩きで紹介しています。


hidari.gif 秋山と北尾根秋山−道志山塊 migi.gif


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