秩  父  2
有間山  武甲山  和名倉山

 遭難者多発で有名(?)な和名倉山ですが、2013年初夏時点で道跡鮮明、スズタケヤブも深くなく、あっさり歩けました。普段買わない2万5千分の一を買い普段引くことのない磁北線をポイントとなる尾根曲がり地点ごとに引き尾根の角度まで書き込み、事前に何度も地図を確認し、準備万端整えたにもかかわらず、一度も地図を開くことなくコンパスも使わず、道なりに歩いて下りてこられてしまった・・・(道や尾根の形を暗記してしまったというのもあるかもしれないが・・・)。
 いまや家族向けハイキングコース?とすら思えるほど鮮明な道筋、かつ危険箇所もありません。ただし、別グループのガイドの方から、この状況はあと5年ほどだろう、歩くなら今がチャンス、と聞きました(後述)。また今年(2013)のPEAKSに、昨年道に迷ってビバークした若者がどこからともなく現れた犬連れの老人に助けられた話、その後将監小屋にテントを張ったまま戻らず遭難した犬連れの老人の話(事故発生順がこの逆だったら怖いと編集者も書く)もあるので、やはり油断は禁物の山なのかもしれない。


目次:武甲山:川乗山−有間山−武甲山
    和名倉山:将監峠−東西仙波山−和名倉山−秩父湖

    十文字峠:毛木平−十文字峠−栃本
    両神山:坂本−八丁峠−両神山−清滝−日向大谷  天理岳−日向大谷
    天覧山−多峰主山  多峯主山−久須美の峰
    正丸峠−伊豆ヶ岳−子の権現  波久礼−秩父高原



川乗山−有間山−武甲山  2013年5月上旬

コース記録:鳩ノ巣駅7:25−大根ノ山の神8:05−川乗山下9:50−踊平10:30−日向沢ノ峰10:55−有間山分岐11:00−有間峠11:30−タタラノ頭12:05−12:20昼12:35−橋小屋ノ頭(有間山)12:40−滝入ノ頭13:10−13:35鳥沢峠13:45−ウノタワ14:15−14:55大持山15:05−15:25子持山15:35−シラジクボ15:50−16:25武甲山神社16:35−17:15沢(水飲み休憩)17:20−林道17:30−18:00そば屋18:30−浦山口駅18:40

 奥多摩から秩父まで尾根沿いに行ってみよう、有間山はヤブ山として紹介されていることもあり読図の勉強にもなるだろう、と川乗山から有間山経由で武甲山まで歩いてみた。
鳩ノ巣の集落 急傾斜に立つ家には簡易リフトが設置されていた(左下)
右下:大根ノ山の神付近 祠のある古い峠道





 川乗山への登りは、中学校の文化祭で演じたオペラ「ヘンゼルとグレーテル」短縮版を思い出しながらのんびり歩く。ちょうど最後まで歌い終わったあたりで、頂下の広場に到着。おかげであとどのくらい、まだここか、などと疲れることを考えずに、いつのまにか到着していた。今回は川乗山から都県境界尾根方向へ向かう(左上:赤久名尾根や本仁田山経由の川乗山はこちら
 稜線は風が強く肌寒い    右上:踊平付近   左下:日向沢ノ峰
 日向沢ノ峰手前は最後急登、ここで降りてきた中高年グループとすれ違う。逆川林道まで車で来て奥多摩へ向かうという。この日は彼らと有間峠の車以外、登山道で人を見かけなかった。
 日向沢ノ峰から都県境界尾根を左(西)へ5分ほど行くと有間山への分岐がある(右下)





 有間山へは尾根道。踏み跡薄いヤブ山と思い、迷いそうな支尾根をチェックし準備したのだが、道跡は非常に鮮明、迷う心配はまったくなかった(夏はわからない)。
 左上:東側、有間川方向を望む   この後林道に出る。尾根を忠実にたどる道もあるようだが、先が長いので林道をさくさく進み、有間峠に出た(右上)。
 この先は再び尾根道のはずだが、すぐに登り口が見当たらない。峠には車が何台か停車し、昆虫採集の人だのがいたので聞いてみると、「山道?そっち(東側)にすぐ登り道があるよ」と教えてくれた。
 左下:タタラノ頭1213.5m 5万分の1地図ではこちらが有間山になっている   このあたり、落葉樹と人工林の快適な尾根道(右下)





 有間山1163mと書かれた橋小屋ノ頭(左上)を過ぎると、左手に皆伐箇所の広がる尾根になる(右上)。南斜面が皆伐され、夏暑そうな道。皆伐箇所には杉苗が植林されていた。向かいには都県境界尾根が東西に横たわり蕎麦粒山だのが見え、雲取まで続く。
 滝入ノ頭から5分ほどで皆伐地に別れを告げ、右(東)に石灰場が見える。急坂を下ると鳥沢峠に出た(左下)。祠があり、古道という感じ。名郷と浦山を結ぶ交通路だったのだろう。
 峠を越えると急登、やがてウノタワに着いた(右下)。不思議に開けたところで、写真奥(東側)から山中へ下る道があった。





左上:大持山1294.1m 大持山へは急坂を登る。このあたりは道標もしっかりしており、整備されたハイキング道。
右上:これから向かう小持山武甲山方向の尾根。小持山からは武士平へ下りる道がある。
尾根道をさくさく進むと武甲山が見えてきた(左下)。
右下:シラジクボ1088m 峠になっており東には生川へ下る道、西には武甲山を巻く道がある。





 左上:御嶽神社 生川からの道は土砂崩れで通行止めになっていた。神社の狛犬はオイヌサマの形をしている。神社の敷地内で、この日はじめてバイケイソウを見た。群生している。
 手持ちの古い地図ではこの先飯盛山へと尾根が続くが、現在山頂の先は石灰採石で入れない模様。北側をばっさり削られた山頂を見ても・・・、と神社から浦山口方向へ下山開始。参拝路でよく整備されており、さいご針葉樹人工林の中急坂を下ると沢に出た(右下)。かなり暑かったので沢でバシャバシャ水を浴び一息ついた。
 その後ひたすら林道を歩き、集落に出たところで蕎麦屋を発見、もう6時近く、ちょうど閉まるところだったのだが、気持ち良く応対してくれおいしい蕎麦を食べることができた。

 有間山から武甲山への尾根は藪山かと思っていたが、現在道跡明瞭、コンパスは必要なく地図もあまり開かず道なりに歩けてしまった。このあと、和名倉山小川山でも感じたのだが、最近、バリエーションルートマニアが増えているのではないか、という気がしている。かつて藪山として知られていた山やバリエーションルートが、実際行くと迷いようのない明瞭な道がついていることが多いからだ。逆に八王子あたりの里山のほうが、道が不明瞭で読図勉強になる気がする。



将監峠−東西仙波山−和名倉山−秩父湖  2013年5月下旬

コース記録:1日目:新地平9:40−11:30昼11:40−雁峠12:10−笠取小屋12:30−山の神土15:05−分岐15:20−将監小屋15:25
    2日目:将監小屋6:00−山の神土6:24−西仙波7:20−東仙波7:35−鞍部8:25−8:45二瀬分岐8:55−和名倉山頂上9:10−9:25二瀬分岐9:35−1880mピーク10:15−10:55水場−11:05小屋跡−11:30登尾沢ノ頭(昼)12:35−秩父湖13:40−秩父湖バス停14:10

 ブログでも同じことを書いている人を見かけたが、ヤマケイの山岳事故シリーズ『道迷い遭難』編で、和名倉山の道迷い遭難(厳密にはこの女性は予備日に自力下山しているので遭難ではないと思うが)を見て、私も和名倉山に興味を持った口だ。道迷い多発というこの山へ、ある程度読図できるようになったら勉強がてら行ってみようと機会をうかがっていた。

韮崎からのバスは満員で立つのも大変なほどだったが、乾徳山登山口や川浦温泉あたりで半分ほど下りていった。残りは西沢渓谷へ行くようで、新地平で下りたのは二人だけだった。

左:林道のゲート

左下:沢沿いの道を行く。この日雨模様で合羽を着たり脱いだり(いちおうゴアだがやはり暑いので)しながら歩く

右下:雁峠近くの気持ちのよいトラバース






左上:雁峠  右上:峠から広瀬ダム(西)方向を振り返る
 笠取小屋前には中高年グループや若者グループが何組もおり、大勢休憩していた。前回(奥秩父縦走)テント泊したときは誰もいなかったのだが。小屋の人の話では、今年は春頃から人が多いという。
 小屋についた頃より雷鳴が聞こえ始めるが、小屋番や常連客らは大崩しない、大丈夫だという。
 尾根道は前回通ったので、今回は巻き道を行く(左下)。やがて雨が降り出した。結構マウンテンバイクが通る。次々追い抜いてゆくが、必ず減速して声をかけるのでマナーはいい。森林ボランティア仲間にMBやっている若者がおり、走れるところが少ない(ex.高尾は禁止)、「みな結構気を使って、締め出されないようやっている」と言っていた。なのでこちら歩き派も大らかな気持ちで受け入れようと思う。
 やがて雨はやみ、鳥が鳴き出した。今までの経験から、雨がやんできたとき、鳥が安心したようにピチュピチュ盛んに鳴き出すと、完全に雨が上がったと感じる。ちなみに、怪しい雲行きのとき、鳥が急を告げる感じでピッピッと鳴きながら低く飛び立ってゆくと夕立など一時的に強い雨が来ると感じる。

 前方右手に飛竜山から延びるサオウラ尾根が見えてきた。
 将監峠近くに来ると、動物の食害がひどい(右下)。最初熊ハギかと思ったが、立て看には鹿による食害だとあった。かなりギザギザした歯の当たったような痕も見えるが、これも鹿なのだろうか?ある鞍部では、周囲の木々一面に根元から1.5〜2mあたりまで齧られた痕がついていた。





 将監小屋へ下る坂で、20人ほどの若者グループ(山岳部か)とすれ違う。全員挨拶してゆくので返すのも大変。指定地以外テント泊禁止エリアなので、今から笠取小屋だろうか?
左上:将監小屋に到着。すでにテントが一張張られていた。この日合計6張、山小屋にも泊まってみたいが・・・。5時頃夕食をとり、すぐに横になる

 5時半には出発しようと思ったが、朝食後、のそのそと荷物をまとめているうちに周囲は次々と出発、6時になってしまった。いつもこうなってしまう。どうも朝の荷物まとめは苦手だ。
右上:山の神土 ここから北へ、和名倉山(白石山)への道が分岐している
左下:和名倉山への道 踏み跡程度かと思っていたが意外に明瞭。和名倉山の先までずっと尾根道なので、見た目にもわかりやすい
右下:奥に見えるのが大菩薩嶺(と思う)





左上:シャクナゲが満開   右上:西仙波1983m ここまで順調、危険箇所なし
左下:東仙波への尾根道 南斜面がハゲ山に近く見晴らしがよい
右下:奥秩父主尾根の雲取方向を望む





左上:山の神土から西仙波への尾根を振り返る   右上:東仙波2003m この下りがわかりにくいとの記述も見たが、2013年春現在、明瞭に道がついていた(雪がないせいもあるか?)
左下:東仙波から和名倉山への尾根道 若干岩っぽい箇所もあるが問題ない。またこのあたりから残置ワイヤーなど伐採作業痕が見られるようになった。
右下:噂の伐採跡地?





 見通しのよい尾根から樹林帯に入る(左上)。苔の多い奥秩父の森、ここも広い尾根の上でロストしやすいとの話だったが、現在道は明瞭、見失うことはまずない。やがて鞍部に出ると右へ折れる感じになり、和名倉山へ最後の登りになる。右手に山頂が見えるが、ここが結構きつく感じられ、休み休みゆく。
 山腹に二瀬分岐があった(右上)。ここもわかりにくいとの記述を見たが、現在は大きな標識が立ちよく目立っている。
 二瀬分岐に荷物を置いて和名倉山へ。千代蔵ノ休場だのトラバースを登ると、和名倉山頂上2036mに出た(右下)。山頂奥に別の山(メモを失くし山名不明)への道を示す道標が立っていたが、こちらは倒木だらけでかなり荒れたバリエーションルートと見た。今回はとりあえず戻り、秩父湖へ向かう。  左下:和名倉山への途中にあるカラマツ林





 二瀬分岐には、「今更ですが」の前置きで「家族に伝えましたか」「今回は仕方ないですが次回からは必ず登山届けを出し、家族や大切な人に行き先を伝えましょう」といった内容の注意書きがあった。またコース上でスズタケが多く道迷い多し、スズメバチ注意の注意書きもみた。
 和名倉山までは主尾根から往復する人も多いのでルートはまあ明瞭だろう、問題はこの後だ、と気持ちも新たに歩き出す。が、しかし、この後も道跡は完全に明瞭だった(左上)。苔の森も通る(右上)。

 1880ピーク(左下)を過ぎたあたりで、男性に引き連れられた中年女性3人グループとすれ違う。「随分早いですね、昨日途中でビバークしたんですか」と男性が聞くので、いや将監小屋からと言うと早いですねと言う。基本、5万分の1(今回は2万5千分の1)なのでエアリアは使わず、予想時間はネットのヤマレコやブログのコースタイムを参考にしている。今回も予想通りで早すぎも遅すぎもしていない。和名倉山の本来のコースタイムがどのくらいなのか、よくわからない。
「バリエーションルートかと思って、読図の勉強がてら来たんですけど、全然道いいですよね。以前より整備されたのかなあ」と言うと、
「それより、今はスズタケが枯れているから見通しがよくて歩きやすい。普通は2メートル以上あるから見通しがきかなくて迷いやすい。この状況はあと数年は続くよ。5年もすると新芽が伸びてきてまた見通せなくなるから、歩くなら今がチャンスだよ」と言う。
 富士山麓河口湖にスズタケ工芸館がある。ここでスズタケを使ったザル作りを教わったことがある。富士山麓のスズタケは、アズマネザサや竹などよりはるかに柔軟性があり、細かく美しく編むことができる(相当質のいいササと思う。ちなみにスズタケ工芸に携わる人たちは、富士山が世界遺産に登録されると、スズタケを採りに山に入れなくなるのでは、と心配していた)。そこでその話をして、
「和名倉山にもスズタケがあると聞いて、遭難するくらいいっぱいあるなら少しもらっていこうかなあ、と思って」と半分冗談で言うと(勝手に取っちゃいけないですよね、冗談です)、女性陣が
「だめだめ、このタケは硬いの、とても無理」と口々に言う。ガイドも「スズタケとは言ってもここのはオカメザサだから。硬いよ、とても細工には使えない」、女性らも「煮ればいいかもしれないけど」、「そうだな、煮れば編めるかもしれない」。「煮る必要があるんですか、じゃあ面倒だからいいや」と答える。

 この後スズタケエリアに突入。しかし確かに丈が低く、完全に周囲を見通せる。また道筋もくっきりついている。あきらかにスズタケを刈った跡がある。道幅に株元から刈られたり、道の両脇は胸丈あたりから上がカットされており、整備されている。ブログで読んだ中には、道は明瞭についているが倒伏したスズタケの下をくぐることになるので大変、ゴーグル手袋必携とあったが、2013年現在、そういう状況ではまったくない。倒伏したササの中を歩く大変さは、八王子の鑓水あたりや、戸倉三山東の尾根の荒れた里山で何度か経験している(鑓水西では敗退)。確かにあの状況を思い出すと、方向見失いがちだろうなあと思う。標高200m500mの人家に近い里山なら見当違いのところに出てもなんとかなるが、2000mあたりで妙な沢に出たらその日のうちに帰れなくなり捜索願いを出され、一気に遭難モードになってしまう。
 左下:1880ピーク  右下:スズタケエリア あくまで現時点では普通のハイキングコース





 左上:枯れたスズタケの穂先に何やら妙な黒いものが・・・。最初寄生植物か、これが原因でスズタケが枯れたのかと思ったが、どうもスズタケの花らしい。竹は花が咲くと一斉に枯れると聞くが、スズタケもそうなのだろうか。
 スズタケエリアはしばらく続き、やがて樹林帯となる。静寂の杜だ。さいご急斜面を下ると(右上)水場に出た。
 そのすぐ先が平地となっており、かつて造林小屋のあったところらしい。現在はきれいに片付けられ、新しい建築資材らしき材が積まれていた。新たに小屋でも建てるのだろうか。

 この先は材出軌道の跡をゆく(左下)。軌道の残る箇所もある(右下)。大きなトロッコの残骸も残っている。





 軌道跡はところどころ崩れているが見失うことはない。一箇所、行く手を大岩がさえぎるところがあるが、そのまま岩の上へ登れば道が続いている(逆コースは迷いようがなく問題ない)。かなりガスってきており、天気は下り坂の感じだ。
 右上:このあたりは東大の演習林。山火事注意のバス停型(!)標識
 登尾沢ノ頭の標識のある広場に出た(左下)。森林軌道跡はこのあと北西へ向かっているようだが確認はしていない。(それとも、ここが広場になっているということは、ここから架線で下ろしたのだろうか)。雨の降らないうちにそそくさ煮炊きしてお昼とする。
 このあと北東へ尾根を下る。ちょうど間伐作業に入った直後のようで、真新しい切り口の切捨て間伐材がたくさん横たわっていた(右下)。よって道も、下まで作業道として整えられており、らくらく下りることができる。





 左上:こんな太い木も切り捨て間伐?と思ってみると、下のほうを食害されていた。これは頭にくるだろうなあと思う。根元に鹿避けネットをめぐらせた林もあった。
 ところでこの植林地で、道とは関わりのない中腹にピンクのテープがひらひらしていることがあった。見ると山の境界を示す杭が下にあり、その目印としてピンクテープのついた棒が立っている。これは里山あたりでもよく見かける。尾根が境界になっていることも多いが、ときどきなぜか中腹に境界線が走っていることがあり、その場合、境界杭がよくわかるよう、周囲の木にテープをつけたり棒を立てたりしている。里山では赤テープが使われることも多く、今回のように明々白々な作業道がついている場合は迷いようもないが、踏み跡道の場合や雪の場合、間違える人も出てくるのではと思う。
 山林のテープは除伐する木/残す木/作業終了の印/境界木/測量の印/雪起こしワイヤーの目印、そして境界杭の目印もあるので要注意だ。

 右上:秩父湖のつり橋を渡り、埼玉大学の寮脇を通って秩父湖バス停へ向かう。それにしてもなんでこんなところに埼大の寮があるのだろう。バスも通っていないし自転車もせいぜい秩父湖バス停までだろう(電車の駅まではとても無理と思う)。車だと飲み会に参加しにくい。寮生の交通手段は一体どうなっているのだろう、と気になった。
 秩父湖脇をてくてく歩いていると、湖脇の公衆トイレに「オウム立ち入り禁止」の張り紙があった。オウムか、懐かしいな、一時期群馬や山梨の過疎の山村に住み着いていたが、ここにもオウムが来ていたのだろうか。

 今回、和名倉山をあっさり歩けてしまった要因として、
1.たまたまスズタケが枯れている期間に歩いたこと、
2.ちょうど間伐などで道が整備されていたこと、また道迷い多発ということもあってかスズタケを刈った跡があり二瀬分岐付近も整備したのではと思われること、
3.自分でも道迷いを想定し、事前にかなり地図を見ていたため、どこで曲がるか、尾根道から巻き道になるかなど、ほぼ暗記していたおかげもあるかもしれないこと、
4.八王子や町田あたりの里山で、踏み跡尾根道をときどき歩いており、踏み跡見分けにはそこそこ自信があること、また低山とはいえそうした里山でプチ道迷い(入山尾根編)や下り尾根間違い経験を何度かしていたことも、役立ったのかもしれない。
 雪が積もったりスズタケが復活したら難易度は一気に上がるだろう。また、ブログでも見かけた意見で、小川山ピストンでも感じたのだが、普通は登りより下りのほうが難しく迷いやすいが、それなりに赤テープだの目印のある山では、下りのほうがわかりやすい場合もあるのかもしれない、という印象もちょっと持った。ただしその人も和名倉山ピストン、自分も小川山ピストンなので、単に一度通った道の帰りだからわかりやすかっただけ、という可能性も高い。

 ところで今では人跡まれな遭難の山というイメージになってしまった和名倉山だが、秩父のオイヌサマ信仰と多摩や川崎の農村のつながりを調べた『オオカミの護符』という本によれば、かつて和名倉山では焼畑が行われ林業もさかんだった。昭和初期だかに撮られた古い写真には、焼畑や伐採で禿山に近い和名倉山の写真もある。山あいの村人が、しょっちゅう仕事に入る山だったのだ。



hidari.gif 天理岳十文字峠 migi.gif


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