東 京 近 郊  の 山  尾 根 歩 き
丹  沢  2



塔ノ岳−鍋割山−雨山−高松山

2011年5月初旬
コース記録:1日目大山−ヤビツ峠−塔ノ岳はこちら
2日目 塔ノ岳6:00−鍋割山7:00−鎖場7:30(鎖場迷い)8:30−分岐8:40(尾根道探検)9:40−雨山峠10:00−雨山10:20(昼)10:40−桧岳11:15−秦野峠12:25−林道秦野峠12:50−高松山14:40−ビリ堂15:00−尺里集落下16:00

朝日と朝焼けの富士山 みな早起きしてさかんに写真を撮っていた




鹿が出てきた。蛭の生息域拡大には、鹿が増えていることも原因にあるという。彼らが蹄に蛭をつけてあちこち運んでいるらしい・・・。鍋割山から雨山の尾根は森林地帯のためか、鹿の鳴き声をよく聞いた
右上:鍋割山への道
左下:金冷シの分岐   右下:何の植物かわからないが群生(後記:バイケイソウとのこと)




鍋割山への尾根道や、雨山から伊勢沢ノ頭までの尾根道は、常に目の前か右手に富士山を見ながら歩ける快適な道
右下:鍋割山頂上 1273m



上:熊木沢方向 丹沢山などが見える
鍋割山から西の尾根道は崩壊箇所があり危険、とあったが、ここはさほど難所ではない。問題はその後の鎖場。
鍋割山と雨山峠の間には鎖場が4箇所あるが、2番目の鎖場が問題。その前後2箇所は普通の鎖場、もう一箇所こちらからは登りになる最後の鎖場も、逆コースでは下りになり多少厳しいがまだまし。

2番目の鎖場は長く3段か4段に分かれ垂直に近い急斜面、しかもぼろぼろ崩れやすい岩質。途中まで下りてみたものの、前向きで下りる下り方をしていたため最後の段はどうしても行けない。失敗したら崖から転落コース。
いったん上にあがってどうしたものか考える。登山訓練など受けていない自分のレベルでは無理かもしれない。地図を広げ別コースを考えたり、再トライしようと鎖場上に戻って見下ろしたり、逡巡することしばし。結局あきらめて鍋割尾根を行こうと鍋割山へ戻りかける。
ふと、スポーツクライミングに素人が挑戦するTV番組を思い出した。三点支持をしっかりやれば大丈夫、とトレーナーが解説していた。
そうか、後ろ向きで下りてみよう、それで駄目ならすっぱりあきらめ鍋割尾根を行こう、と決める。
鎖場上に戻り、軍手をはめ片手で鎖、片手で岩か木の根を確保しつつ足場をさぐる。三点支持をしっかりやれば難なく下りられた。最初無理と思えた最後の鎖場も無事クリア。鎖場のコツを掴んだかも。

ところでこの鎖場、一箇所長い鎖がある。長いため途中にも楔が打たれているのだが、それが抜けている。しかも唯一支える最上段の楔もぐらついてきている。それもあって両手で鎖を握り体重を預けるのは躊躇があった。今すぐ抜けるレベルではないが、岩質柔らかいし、いつか抜けるのではと心配だ。

下:やせ尾根が続く。ただ、里山にはもっと酷いやせ尾根があったりする(谷の深さが異なるが)



途中、南に尾根が延びている箇所がある(一見道には見えないため分岐にはなっていない。よって道を間違える可能性はない)。この尾根も歩けそうだ(国土地理院の地図には破線が載っている)、と時間があるので行ってみた。
登山道ほど明瞭でないものの、道は細々とついていた(右上)。やがて尾根の突端に出て雑木のまばらに生えた急斜面となり、踏み跡はこの斜面で消えている。みなここから適当に下って下の道に出ているようだが、かなり急でロープなしでは危険に見える。下を熊鈴をちりちり鳴らしつつ歩く人が見えた。下行く人が登ってくれば登り口がわかるのだが、雨山峠方向へ行ってしまった。
どうせ雨山峠へ行くので、登山道も踏破しておこう、と引き返す。

登山道も、穴があき崩壊しかかった尾根があったり(左)、雪が積もると見分けがつかず危険そうだ
下:雨山峠に出た




上:雨山は山上が広い  右上:雨山ピーク 1176m
左下:桧岳 1167m   右下:蛭が岳、桧洞丸方向




左上:これから行く高松山方向の山々  右上:桧岳を振り返る
雨山から桧岳、伊勢沢ノ頭までは快適な尾根道。伊勢沢ノ頭の少し先に天神峠への分岐がある。ここから秦野峠への下りは土道だが急坂。登りはきつそう。
左下:伊勢沢ノ頭 1177m   右下:旧道の秦野峠




左上:林道秦野峠 ここへの下りも急坂で、鹿避け柵だかバラ線囲いの脇を延々歩く。さすがに顔のあたりはバラ線でないものの、急坂なのでうっかり掴んだら大変だ。しかも登山道側に倒れ掛かっている箇所もある。
林道から急坂を上り、尾根に出るとシダンゴ山との分岐点。これまで落葉樹林だったのが、林道から先は杉桧の植林地帯(右上:西ヶ尾 805m)

ヒネゴ沢乗越を経て高松山801.4mへ出る(左下)。広々とした頂上
虫沢古道保存会の標識があり、ヒネゴ沢乗越や高松山周辺には各集落を結ぶ古道が通っているらしい。このあたりまで来ると里山だ

高松山からビリ堂への道は、杉林内の道が雨で流され歩きにくかった
右下:ビリ堂 観音像を祀る最奥の地というのが名前の由来だとの説明書き。脇に湧き水がある



  

左:いかにも古道、といった道をゆく


ビリ堂から先はなだらかな下りで一気にゆける
周囲の林も里山系になり、カシなど常緑の広葉樹や
竹が多くなる

右上:松田から小田原方向をのぞむ
尺里に出ると斜面にみかん畑が広がっていた

目の前の山は何かと尋ねつつ、地元の人と話す。ハイカーが畑に空き缶投げ込んだり迷惑しているという。この界隈へは、JRや小田急&ローカルバスより便利なアクセス方法があるが(自家用車でない)、これ以上ハイカーが増えると困るのでヒ・ミ・ツとのこと

目の前の山は明神ヶ岳、きれいな稜線を描いて聳えて見え、なかなか景色のよいところ。地元の人いわく高校生のとき登った、きつかったそう

左:みかん畑のあちこちで見かけたモノレール




hidari.gif 丹沢1蛭ヶ岳1 migi.gif


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