百草園から七尾丘陵、平山城址、御殿峠、七国峠と続く尾根もだいぶ西まで来た。
さらに大戸緑地から草戸峠へと続くが、七国峠西から法政大までの尾根は、ゴルフ場の敷地内で歩けない。法政大の西は、以前大戸-東高尾山稜で歩いている。
そこで、各地の団地を見がてら、片倉から館町、寺田を通って七国峠下まで行ってみることにした。館町団地、グリーンヒル寺田あたりは、もう高尾に近い。2011年頃はあまり歩いていないが、若干写真がある → 館町−武蔵ヶ丘。
多摩丘陵開発考その6
『ニュータウンの社会史』にも指摘があったが、高畑勲監督の映画『平成狸合戦ぽんぽこ』は、このあたりの心情を、狸に模して伝えている。狸たちはのっぺら丘になった里山で化け術を使い開発業者と戦うが、敗色強くなる。狐一族は人間に化け人間社会で生きる決断、狸の一部に宝船に乗り天国めざして去る一団が出たりする。最後に化け術を感動的に使った後、人間に化けて社会に混じって生活する者、狸のまま都市で生活する者に分かれてゆく。
なお、『ニュータウンの社会史』にあった、聞き取りに関する注意点は、他の分野でも共通すると思うので重要だ。有力地主層が旧住民側話者の代表になりがちで聞き取りにも協力的、率先して開発に尽力した立場からの話になる。零細農家は売って引っ越した人が多く追跡困難、反対抵抗の立場をとった優良農家(中間層)は結果的に挫折を余儀なくされ沈黙、営農を続けたかったが転業した側の話はなかなか出ない。
多摩ニュータウン駅南のパルテノンには、展示館がある。私が行ったのは「多摩ニュータウン展」のときだったが、常設展示室もあったので、おそらく普段もいろいろ見られると思う。特に映像記録が残っているので、当時の生活や地元住民インタビューを視聴することができる。
(その5はこちら)目次: 片倉-館町-寺町団地-七国峠下