東 京 里 山  2017−18編 7
(館町  寺田  七国)

 百草園から七尾丘陵、平山城址、御殿峠、七国峠と続く尾根もだいぶ西まで来た。
 さらに大戸緑地から草戸峠へと続くが、七国峠西から法政大までの尾根は、ゴルフ場の敷地内で歩けない。法政大の西は、以前大戸-東高尾山稜で歩いている。
 そこで、各地の団地を見がてら、片倉から館町、寺田を通って七国峠下まで行ってみることにした。館町団地、グリーンヒル寺田あたりは、もう高尾に近い。2011年頃はあまり歩いていないが、若干写真がある → 館町−武蔵ヶ丘


多摩丘陵開発考その6
 『ニュータウンの社会史』にも指摘があったが、高畑勲監督の映画『平成狸合戦ぽんぽこ』は、このあたりの心情を、狸に模して伝えている。狸たちはのっぺら丘になった里山で化け術を使い開発業者と戦うが、敗色強くなる。狐一族は人間に化け人間社会で生きる決断、狸の一部に宝船に乗り天国めざして去る一団が出たりする。最後に化け術を感動的に使った後、人間に化けて社会に混じって生活する者、狸のまま都市で生活する者に分かれてゆく。

 なお、『ニュータウンの社会史』にあった、聞き取りに関する注意点は、他の分野でも共通すると思うので重要だ。有力地主層が旧住民側話者の代表になりがちで聞き取りにも協力的、率先して開発に尽力した立場からの話になる。零細農家は売って引っ越した人が多く追跡困難、反対抵抗の立場をとった優良農家(中間層)は結果的に挫折を余儀なくされ沈黙、営農を続けたかったが転業した側の話はなかなか出ない。

 多摩ニュータウン駅南のパルテノンには、展示館がある。私が行ったのは「多摩ニュータウン展」のときだったが、常設展示室もあったので、おそらく普段もいろいろ見られると思う。特に映像記録が残っているので、当時の生活や地元住民インタビューを視聴することができる。

(その5はこちら



目次: 片倉-館町-寺町団地-七国峠下



片倉-館町-寺町団地-七国峠下  2018年冬

小比企丘陵
 下:片倉から湯殿川沿いに南西へ向う
 その後、先日歩いた小比企町の畑のある台地の一段下をトラバース気味に歩く。





 台地上でも川沿いでもない、中道をゆく。ここも畑が広がっている。右下は台地西脇の雑木林。











右上で中道が終わり、古い集落に下りる

 じつは畑を歩いているとき、湯殿川を挟んだ北の河岸段丘上に、大きな塔が見えた(右写真奥)
 この塔が気になり、ちょうど犬散歩していた女性がいたので聞いてみると、古いお寺かどうかわからないが、ここに越してきて20年たつがその頃からあった、近くに行くとかなり異様なお寺だという。

左下:養蜂箱





館町団地の丘
 湯殿川沿いに西へ進む  左下:館町団地のある丘が見えてきた  右下:丘への登り





 斜面は雑木林。丘上は、資材置き場や建築などの作業事務所になっている(右上)
 左下:尾根を南に進む。平成19年の国土地理院地図では尾根歩きできるが、現在、八王子南バイパス工事に伴い、尾根が丸はだかになっていた。でも通してくれた(右下)





 見晴らしがよい、といえば見晴らしの良い景色
 バイパス南側は雑木林が残る道







 尾根は館町団地の南東沿いに延びている。左上は東の谷戸の既存集落側。
 右上:尾根が西の団地縁に出るところ  左下:西の館町団地を望む
 右下:尾根は館町寺田周遊コースと公園化され、さらに南西へと続く。
 ちょうどここで、尾根の南から息を切らしながら老人が登って来た。そして団地を見下ろす階段に腰をおろした。挨拶をかわし、なんとなく話始める。代々地元の人のような気がしたが、やはりそうだった。爺さん婆さんは梨をやって結構お金を残した、蚕もやった、炭焼きはあまりやっていないな、畑も自家用程度だった。梨と蚕で食べていた、新潟(?)のほうからゴムのない大八車を引いて買い付けに来ていたという。随分変わったんでしょうね、というと、「変わった、この下も全部雑木だった、このあたり一面雑木だった、畑はあまりなかったな」と、遠い目で団地上から西の山々をずっと見ていた。





 団地脇の道をゆく





 ずっと団地脇を行く道だったが、左上の道を右上の橋で越えると、左右両側とも雑木林になる。





 左上:林中の小さな畑。やがて殿入中央公園からのハイキング道と出会う



 南斜面に広がる広い畑に出た








ふもとの集落に下りる(左)

ちょうど法政大学の北にあたり

南へ下がってキャンパス北尾根から
グリーンヒル寺田に向うことにする



法政大からグリーンヒル寺田
 大通りを渡り、大学キャンパス北尾根に登り(左下)、雑木林の中をゆく。以前も歩いたが、整備され気持ちの良い道。





 大学北尾根は、途中に相武カントリークラブがあるので、尾根の通し歩きができない。前回は南の武蔵ヶ岡に下ったが、今回は北のグリーンヒル寺田へ向かう。
 左下:団地南端  七国峠を通る東西尾根から北へ、団地東側を支尾根が伸びている。この尾根を伝って団地の奥へ






左上:尾根の西側に広がるグリーンヒル寺田の一部

右上:尾根の北端
ここで支尾根は終了

団地内を東へ行くと
牧場があった







 さらに東へ向かう。大通り南に公園化された池があった。右上は団地内商店街(シャッター下りた店多い)
 団地も、真四角のアパート群、戸建の並ぶ一帯、そして左下のような文化住宅(2階建て長屋)の一帯、といろいろある。右下は、小学校の脇の丘から、北のアパート群を望む





七国峠下
 さらに東に進み、谷戸に下りた(下)。既存集落のあるこの谷戸沿いに南へ登り、谷戸東の支尾根にとりついて東西尾根に戻ることにする。
 左上写真手前の尾根が、登りに利用する予定の支尾根
 右上写真奥、東の台地上に広がるのは、みなみ野の団地





 谷戸左岸をゆく道は最後、藪っぽくなり(左上)、右岸(左手)の尾根に人工林から這い上がった(右上、道なし)。尾根には予想どおり、立派な道があった(下、最初から尾根行ってもいいかも)





 左上:あと少しで、小学校方向から南に登ってくる別の支尾根に出会うところ
 右上:出会った尾根上にも道がついていた。なんとPTAマークの道標があり、今登った尾根を下るよう示している。どうやら池あたりから道があるようで、ハイキングコースになっているらしい。しかし、その先、東方向は若干荒れ気味(右上、左下)。だから進入を止めているわけか・・・
 戻っても意味ないので、踏み跡を東へ、ついにゴルフ場脇に出た(右下)。本当の東西尾根はゴルフ場内もっと南にある。ゴルフ場北縁を東に歩く。道はないに等しいが、南はゴルフ場、北斜面は皆伐され見晴らしはいい。





 ゴルフ場の東端で、東西尾根から北に延びる支尾根にぶつかり、支尾根東側の谷を広い車道が通る。谷を挟んだ向かいがみなみ野台地や七国峠の丘だ。
 予想通り、この尾根にも、若干東にトラバース気味だが道がついていた(左上)。尾根を南へ向かう。ただこの先、七国峠からの東西尾根と合流するあたりがゴルフ場入口で、いずれにせよ尾根には出られないし、入口付近で車道に出られるかどうかも不安(門やフェンスががっちりしていそう)、おまけに暗くなってきたので、途中で車道に下りた(右上)。



 左上:上水タンクのある水道施設脇を、七国峠北の団地へと登る
 上2枚の写真の奥の雑木が、七国峠の尾根   左下:七国団地をゆく
 右下写真奥は、東西尾根からみなみの駅方向の北に延びる支尾根 ここもいずれ歩いてみたい





hidari.gif 里山2017,8年編6


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