東 京 里 山 尾 根 歩 き
(奥 多 摩 マ イ ナ ー 尾 根3)




千本ツツジ−ウトウの頭  2016年6月下旬

コース記録:1日目:峰谷橋バス停10:45−奥分岐11:24−ゲート12:20−千本ツツジ14:30−七ツ石山14:55−奥多摩小屋15:40

 ネットで、奥多摩・峰の林の中に残る数戸の廃屋脇を歩く映像を見かけ、ずっと気になっていた。そこでバリエーション歩きの登りに、峰を通る千本ツツジコースを使ってみることにした。
 左下:峰谷橋バス停付近   右下:対岸のいぬえ集落 ここも前から気になっている いつか歩いてみよう。





 右上:雲風呂付近 この集落名も面白い
 下:下り集落付近 右下は奥集落との分岐 奥集落も気になるので、秋か冬になったらバリエーション歩きついでに行ってみよう。今回は峰へ左を登る。





 左上:わさび田   右上:峰字柿千にある柿の木 車道ができる前は下の集落から九十九折の急坂を登り一休みするところだった、秋には柿が沢山実をつけ道行く人を楽しませた、とある。ここはまだまだ集落の下のほう



 峰のようす つづら折の道沿い斜面に点々と家が続く。けっこう広がっており、林道とのゲート脇まで家があった。人が住みきれいに手入れされている。





 左上:林道ゲート 右上:林道から山道に入るところ



 ひたすら人工林を登る。廃屋は見当たらないが祠があった
 森はよく手入れされている(左下) それにしてもかなりの急斜面
 森の中のカエル(右下) なんか頭でかいけど何ガエル?





 こんな感じで、小雨のぱらつく中をゆく。湿度が高く蒸し暑いのでスピードでない



 左上:千本ツツジに出た。結局廃屋は見当たらなかった。どこか脇道かもしれない。映像で見たようすは丹波天平尾根の高畑集落西鴨沢コースの廃集落とほぼ同じだったので、まあいいか。  右下:七ツ石山



 蒸すせいか、稜線に出てから奥多摩小屋までのアップダウンでかなり疲れた。これで夏にアルプスとか歩けるのか不安になる。



コース記録:2日目:奥多摩小屋5:20−6:00雲取山荘6:10−芋ノ木ドッケ7:10−大ダワ林道分岐9:00−林道出会9:15−赤石尾根階段9:37−11:15会所(昼)11:50−天祖山11:55−縦走路12:50−タワ尾根分岐13:25−金袋山15:00−15:20ミズナラ巨木15:30−石神神社16:20−16:30日原鍾乳洞17:00−東日原バス停17:35



 朝は涼しくて歩きやすい。さくさく巻き道をゆく。雲取山荘前にはちらほら人がいた。このあと、日原鍾乳洞まで誰にも会わない山歩きとなる。芋ノ木ドッケ到着(右上)。
 これから下る二軒小屋尾根を見下ろす(左下)。上級者ルートになっていたので、しっかり支尾根確認しようと身構えていたが・・・





 途中まではピンクテープがときどきある程度で、いちおうルーファイしながら行く。途中からテープだらけ、正直地図いらない(苦笑)。





 左上:なんだろう、きのこのたぐい?薄いけど踏み跡続くしテープしっかりあります





 左上:大ダワ林道コースとの分岐 雲取から下る途中でも大ダワ林道への分岐を見かけたが、この林道は崩れて通行不能とのこと。
 二軒小屋尾根は、支尾根に迷うなどもっと手こずるかと思ったが、あっさり下りてしまった。岩場も急斜面もないゆるやかな尾根道で、大ダワコースより歩きやすいのでは?
 右上:地図では渡れない、要渡渉とあった木橋もばっちり補修済み(増水時渡渉不可だったので、増水してたらどうしようと不安だった)。その後の道もしっかり(左下)、林道に出た(右下)。いちおう工事柵で塞がれてはいるが、結構人が入っている感じだ。





 さてここからもう一登り、今度は天祖山経由でウトウの頭コースを下りてみる。林道を行き、右上の階段を上る。杉林の作業道をくねくね登り(左下)、尾根に出たら急傾斜の道をひたすら直登(右下)。この日も小雨もようだが、昨日と代わり、標高上がると肌寒くなってきた。このくらいが歩くにはちょうどよく、さくさく登る。





 巨大な切株があった。左下:会所到着 2日目なので弁当ではなく自炊の昼食、よって30分ほど休憩
 右下:天祖山の神社 会所も神社も新興宗教(明治時代にできた天学教)のものらしいが、最近あまり使われていない感じだった。今でも信者はいるのだろうか





 すっかりガスにおおわれ遠くの景色はまったく見えない。道は明瞭  右上:これは鹿の仕業か?
 左下:水松山下で長沢背稜の縦走路に出た 南の日原林道の谷方向、まったく何も見えない





 左上:タワ尾根入り口 水松山以降は一般道歩きなので、鼻歌まじりの尾根道下りと予想していた。この山行の核心は上級者Vコースの二軒小屋尾根で、あとは楽、のはずが、下り口を示す道標なし。代わりにVルート入り口でよく見かける、安易な進入を阻止する左右ルートのみを示す道標が立つ。なんかやばい予感。行くと、いちおう尾根道は明瞭だった(右上)。でも縦走路(左上)に比べかなり細い。
 左下:モノレール終点 この脇を右に左に歩く
 右下:けっこう岩場的なところがある。小ピークからの下りがわかりにくかったり、一般道のはずが、Vルートの二軒小屋尾根コースより、よほどこちらのがVルートっぽい。





 左上:このへんウトウの頭のはず(山頂標識みかけずよくわからず)  モノレールと岩場を越えた先のウトウの頭界隈からミズナラの巨木まで、わかりにくい。テープもあるがそう多くないし、尾根道も踏み跡状態で薄いところがある。分岐以降道標も山頂標識もなく、地図コンパス高度計で現在位置を推測しながら進む。
 左下:萌芽更新してかなりたった木 かつては薪炭林だったのだろうか





 左上:すごいツル 森林ボラの目で見ると切りたくなってしまう・・・。でもまあ、人工林でないからな。杉檜はツルが絡むと枯れるので、他人の山でもツルはいちおう切っていいことになっている、と聞いた。
 右上:金袋山 ここで初めて山頂標識を見かけ、現在地を確認できた。分岐からここまで道標類一切なし、Vルート化している。
 左下:ミズナラの巨木 この手前、踏み跡がわかりにくくなり、いったん窪地のようなところに下りて不明になった。高いほうが地形がわかる、と目の前の尾根に登ると、その尾根を南へ10mほど下った先にこの巨木と下に「ミズナラの巨木」プレートがあり、現在地を確認できた。

 地図では、ここで2ルートに分かれる。いちおう両コースとも一般道。最初ミズナラの木の先に続く尾根を直進してみたが、踏み跡はだんだん不明瞭に。あきらめて戻り、じっくり地図を見る。夕方も迫っているので、内心少々焦る。南南東方向にもう一方の道があるはず、ときょろきょろすると、ミズナラの前柵手前右手(南方向)に斜面を下る踏み跡とテープを発見。少し進み、地図とコンパスで道の方向を確認、いちおう一石山を通る道と確信する。道標類一切なし、出だしを決めるのにコンパスとルーファイ必要、て完全にVルートじゃん。(そしてミズナラ前の柵は、尾根直進を阻止していることに気付く。行った自分がバカでした)
 最初落葉樹の森を南西にトラバース気味に下り、右の南南東向き尾根に乗ると植林帯を下る(右下)。道標ないので、ミズナラ手前踏み跡不明事件もあったし、作業道獣道かもしれないし、地図コンパスで尾根方向を確認しつつゆく。





 この尾根を東南東に曲がる地点で、初めて道標を見た。急坂注意とある(左上:急坂)。
 植林帯をジグザグ下り(右上)、沢上に出た。空が開け、見上げると左手に巨大な岩の崖(左下、カメラに入りきらない)。エー、こんな大きな岩崖が東京都内にもあったんだ、と結構驚き。どうやら燕岩らしい。その対岸にも、すっくと立つ奇岩が(右下)。地図で見るとこれが梵天岩か。都内にこんなところがあることを知らなかった自体、不思議な気がする。





 驚きの渓谷を下ると石神神社があった(左上)。これで一安心、もう道迷いの可能性は完全になくなった。せっかくここまで来たので、日原鍾乳洞に寄ってゆく。有名だが来たことないので。
 予想以上に規模の大きい鍾乳洞、カメラが低性能なのでうまく撮れなかったが、最奥の巨大ドーム空間はライトアップされ、かなり見ごたえがある。新洞は結構登り下りするので、登山後の足には少々堪えた。





 まあ、鍾乳洞内はもっといい写真を撮っている人が大勢いると思うので、そちらに譲るとして:

 最終バス終わっているので、東日原バス停まで歩く。
 左下:谷は深い(道がかなり上を通っている)。これは下り尾根間違えると悲惨なことになりそう。
 右下:日原集落の象徴、稲村岩。石灰採掘でなくなりそうだったのを、悲しんだ村人が残したという。





 上:日原集落 中日原から東日原まで、結構戸数がある。
 下りバスでは雲取、鷹巣と下りてきた20人くらいの中高年グループと一緒だった。土日にこのバスに乗ったときも感じたが、地元民より観光客でもっている感じ。

 峰集落歩きと二軒小屋尾根での読図訓練がメインの山行だったはずが、ウトウの頭コースが実は核心でした、という結果に。二軒小屋尾根は下りでも支尾根は踏み跡やテープでカバーされ、ほぼ問題なく下れる。登りならもっと楽だろう(ルーファイ的に)。危険箇所もなくたんたんと歩けるいい尾根で、上級者コースどころか、もはやバリエーションでもないと思う。
 逆に一般道として記載されているタワ尾根コースは、地図コンパスなしで安易に入ると結構怖そうな道。岩の多い崖っぽいところも多い。歩く人の頻度と整備次第(テープによる自主的ものも含む)で、道は数年前と大きく変わる。Vルートの楽々化なら、肩透かしでがっかり、で済むが、一般道のVルート化は危ない。常に地図コンパス(できれば高度計)は必携、と感じた尾根歩きでした。
(蛇足ながら、この1ヶ月ほど前に酉谷山に行くと言ったまま行方不明になった女性がいたが、下りにこのルートを使って道に迷ったのではないか、という気がしなくもない)。



hidari.gif 奥多摩マイナー尾根2奥多摩(雲取山) migi.gif


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